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『ライオン・キング』の監督が、今度は「加工しない」と決めた1,400日

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『ライオン・キング』の監督が、今度は「加工しない」と決めた1,400日
(c) 2026 National Geographic Partners, LLC.

ジョン・ファヴローが製作総指揮を務めたナショナル ジオグラフィックのドキュメンタリー『LION -王国の物語-』が、8月20日よりディズニープラスで独占配信される。ケニアの草原で一頭の子ライオンを4年追いかけた本作で、ファヴローが自らに課していたルールが明かされた。(フロントロウ編集部)

子ライオン「キオ」の4年を、群れごと追いかけた

舞台はケニアのマサイマラ国立保護区。全4話の主人公は、キオと名づけられた一頭の子ライオンだ。無力な赤ん坊が、飢えや外敵、群れの争いをくぐり抜けて王になるまでの4年間を、カメラはひたすら追い続けている。

撮影日数は52回のロケで約1,400日。単一のライオンの群れだけを追い続けた記録としては、自然史ドキュメンタリーの歴史でもっとも長い。1頭の子ライオンを成獣になるまで見届けた作品も前例がないという。米Varietyによれば、こうして撮りためた映像は約1,000時間にのぼり、それが4時間の物語へと編まれた。

CGでライオンを作った監督が、自分に禁じたこと

製作総指揮に名を連ねるジョン・ファヴローは、2019年の実写版『ライオン・キング』を手がけた人物だ。あの作品のライオンは1頭残らずCGで、続く『ムファサ』も同じ手法でつくられている。つまり彼は、本物そっくりのライオンをゼロからつくり出す側にいた人だ。

その彼を実写の側から引っ張り出したのが、共同で製作総指揮を務めたマイク・ガントンだった。ガントンはBBCナチュラル・ヒストリー・ユニットのクリエイティブ・ディレクターで、2022年にファヴローへ声をかけたという。ファヴロー自身は「ドキュメンタリーを撮りたかったわけではない。マイクと彼のチームと仕事をするのが本当に楽しかった」と、動機を淡々と語っている。

興味深いのは、その関係が以前は逆向きだったことだ。ガントンによると、実写版『ライオン・キング』の製作時、ファヴローは動物の動きや行動を再現するための資料としてBBCの自然史番組『ダイナスティ』を見ていた。参考にした側が、参考にされた側の現場へ入っていったことになる。

そしてファヴローは、本作に厳しいルールを敷いた。デジタルによる加工は一切しない、余計なものを消さない、映像を操作しない——CGの第一人者が、CGを自らに禁じたのだ。当然、物語の行方も制御できない。「浮かび上がってきた主人公が雨季を越えて生き延びるかどうかが分からないのは、つらいことだった」と、彼は撮影中の心境を明かしている。

音楽はハンス・ジマー、語り手は「ムファサ」

スコアを手がけたのは、アカデミー賞受賞作曲家ハンス・ジマー率いる作曲家集団ブリーディング・フィンガーズ・ミュージック。現地マサイマラで録音された歌声とアフリカの伝統楽器、そしてライオンの咆哮が織り込まれ、映画『ライオン・キング』へのリスペクトを込めた旋律も差し挟まれる。ナレーションを担当するのは、舞台版『ライオン・キング』でムファサを演じたO.J.リンチだ。

先日アメリカ・アナハイムで開かれたディズニーファンイベント「D23:アルティメット・ディズニーファン・イベント」に登壇したガントンは、「この壮大な物語は、構想から完成まで5年をかけ、そのうち4年間にわたって撮影が行われました」と振り返り、キオという一頭に焦点を当て続けた理由をこう説明した。「彼らと時間を共にする中で、その生き方には私たち人間の人生と重なる部分が数多くあることに気づきました。だからこそ、この物語は多くの人の心に響き、深い共感を呼ぶものになっていると思います」。

張り詰めた場面もあるが、結末は希望のあるものになっているという。「日本の皆さんにこの新しい作品をご覧いただけることを大変うれしく思っています」とガントン。『LION -王国の物語-』全4話は8月20日(木)よりディズニープラスで独占配信され、ナショナル ジオグラフィック(TV)でも8月23日・30日の日曜15時から2話ずつ放送される。

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