ポスト・マローンが、キャリアの出発点であるデビュー・ミックステープ『August 26』を、8月26日に初めて全ストリーミング・サービスで正式リリースした。10年前のあの日を待たずに世に出た10曲が、いま公式のカタログに並ぶ。(フロントロウ編集部)
タイトルの数字は、出るはずだったアルバムの日付
ヒップホップもポップもロックもカントリーも同じ手つきで行き来する。そんな作り方で世界的な成功をつかんだポスト・マローンには、正式には長く「存在しなかった」作品がある。デビュー・ミックステープ『August 26』だ。
ユニバーサル ミュージックによると、この10曲入りの作品が、リリースから10年を経てようやく全プラットフォームで正式に配信された。あわせて新たにリマスターが施され、アナログ盤としても初めて商品化される。
興味深いのはタイトルの由来だ。『August 26』という数字は、彼のデビュー・スタジオ・アルバム『Stoney』が当初発売される予定だった日付そのもの。結局『Stoney』は同じ年の後半にずれ込み、8月26日という日付だけがミックステープの名前として残った。予定が流れた日を作品名にしてしまったわけで、当時の彼が置かれていた宙ぶらりんな状況が、そのままパッケージになっている。
「White Iverson」で世界が振り向いた、その直後の10曲
オリジナルの公開は2016年5月。ブレイクのきっかけとなったシングル「White Iverson」で大きな注目を集め、新世代のアーティストとして業界が彼の名前を覚え始めたばかりのタイミングだった。『August 26』は、そんな時期に作られた彼にとって初のフルレングス作品にあたる。
参加している顔ぶれを眺めると、当時の立ち位置がよくわかる。2 Chainz、Jeremih、Lil Yachty、そしてJaden Smithと、ジャンルも世代もばらばらの名前が並ぶ。ラップの文脈にきれいに収まらないまま、その外側で仲間を集めていったことが伝わってくる布陣だ。のちに「ロックスター」や「サンフラワー」で見せることになる越境的な作り方の芽は、すでにここにある。

その後の歩みは知られているとおり。グラミー賞のノミネートは通算18度、シングル9曲が全米レコード協会(RIAA)のダイヤモンド認定(1,000万ユニット相当以上)を受けている。2019年にはSpotifyで世界で最も再生されたアーティストとなり、テイラー・スウィフトの「Fortnight」やビヨンセの「LEVII’S JEANS」にも招かれた。2024年にはカントリー作『F-1 Trillion』でビルボード200の初登場1位を取っている。
10月6日、Kアリーナ横浜
日本のファンにとっては、この配信が来日の前哨戦にもなる。ポスト・マローンは10月6日にKアリーナ横浜で「Post Malone Presents The BIG ASS Stadium World Tour」の公演を行なう。開場17時、開演18時30分。スペシャル・ゲストにはDon Toliverが名を連ねる。
彼が初めて日本の観客の前に立ったのは2018年、フジロックのホワイト・ステージのヘッドライナーとしてだった。あの夏から8年。10年前の粗削りな10曲が正規のかたちで並んだ直後に、その延長線上にいる本人が横浜に来る。順番としては、なかなか気の利いた並びかもしれない。

















