『エイリアン』新作は『ロムルス』続編ではなく前日譚関連作に――カギを握るのは「あのアンドロイド」


SFホラーの金字塔『エイリアン』シリーズで、新たな映画企画が始動した。脚本を担当するのは『プリズナーズ』のアーロン・グジコウスキで、リドリー・スコットが製作を手がける。2024年にシリーズに新たな勢いをもたらした『エイリアン:ロムルス』の続編ではなく、スコットが監督した前日譚2作品につながる物語になると報じられている。(フロントロウ編集部)
『プリズナーズ』の脚本家がリドリー・スコットと再タッグ
現地時間2026年10月23日、米The Hollywood Reporterが独占で報じ、米Deadlineなども後に続いた。20世紀スタジオが進める企画で、スコットは自身の製作会社スコット・フリーを通じて製作に参加する。現時点でスコット自身が監督を務める予定はなく、製作に専念するという。監督は未定で、企画はまだ初期段階にあるとされている。
脚本を担当するアーロン・グジコウスキは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『プリズナーズ』(2013年)で知られる脚本家。同作は子どもの誘拐事件を題材に、ヒュー・ジャックマンとジェイク・ギレンホールが主演した緊迫感あふれるスリラーだ。
スコットとグジコウスキがタッグを組むのは、今回が初めてではない。グジコウスキが企画・製作を手がけたHBO MaxのSFドラマ『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』では、スコットが製作総指揮を務め、最初の2話の監督も担当した。1970年代に映画監督としてのキャリアをスタートさせたスコットにとって、初めてのテレビドラマ演出となった。同作は、荒廃した地球を離れた2体のアンドロイドが、人間の子どもたちを育てていく物語。人工的に生み出された存在を描くという点でも、両者には共通の経験がある。
カギを握るのは、ファスベンダーが演じたデヴィッド
新作の物語の詳細は明らかになっていない。ただし、The Hollywood Reporterによると、スコットが2010年代に監督した『プロメテウス』(2012年)と『エイリアン:コヴェナント』(2017年)に関連する作品になるという。関係者の話として、2作品をつなぐ重要な存在は、マイケル・ファスベンダーが演じた倫理観を欠くアンドロイドだと報じられている。ただし、現時点でファスベンダーの出演は決まっていない。
そのアンドロイドこそ、デヴィッドだ。ウェイランド社が開発した高性能の人造人間で、『プロメテウス』では宇宙船プロメテウス号の乗組員として登場。その後、人間や異星の生命体に対して不穏な関心を募らせていった。『コヴェナント』では生命体を使った実験を繰り返し、自らの目的のためなら人間の命を平然と犠牲にする姿が描かれた。物語は、デヴィッドが生存者を欺き、宇宙船コヴェナント号に乗り込んだところで幕を閉じ、多くの謎が残された。
スコット自身も、8月の時点でこの構想について言及していた。米Varietyによると、スコットは米紙のインタビューで前日譚の3作目を計画していると明かし、デヴィッドが「自分のためのすばらしい新世界」を生み出す物語になると語っていた。同じインタビューでは、「AIは暴走することがある。そうなったら、まるで爆弾だ」とも話している。
『ロムルス』の続編は宙に浮いたまま
一方、フェデ・アルバレス監督の『エイリアン:ロムルス』は、全世界で3億5,000万ドルを超える興行収入を記録し、シリーズに新たな勢いをもたらした。しかし、その続編の行方は依然として不透明だとされている。
1979年の第1作で、宇宙船ノストロモ号の船長ダラスを演じたトム・スケリットが93歳で亡くなったという訃報が届いたばかりのタイミングでもある。シリーズの原点を生み出したスコットは現在88歳。8月28日には日米で『ラスト・サバイバー』が公開され、11月には名誉アカデミー賞の授与と、ヒュー・ジャックマン主演の『Treasure Island(原題)』の撮影開始も控えている。
88歳で“世界の終わり”を撮った巨匠が、半世紀近く前に生み出したSFホラーの世界に再び関わることになる。未解決の謎を残した前日譚の物語が、どのような展開を迎えるのか注目される。

















