第98回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた映画『ヒンド・ラジャブの声』の監督・脚本を務めたカウテール・ベン・ハニアが、8月中旬に初めて来日する。8月18日には、公開に先駆けた上映会に登壇する。(フロントロウ編集部)
8月18日、新宿武蔵野館で観客の前へ
配給元のスターキャットアルバトロス・フィルムの発表によると、チュニジア出身の映画作家カウテール・ベン・ハニアが8月中旬に来日する。日本を訪れるのはこれが初めてで、本作をはじめ、ベン・ハニア監督の近年の長編映画でプロデューサーを務めてきた、製作上のパートナーともいえるナディム・シェイクルーハが同行する。
滞在中の8月18日(火)には、新宿武蔵野館で先行上映会が行われ、ふたりが登壇する予定だ。日本公開は9月4日(金)で、新宿武蔵野館、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座ほか全国での上映が控えている。公開前に作り手の言葉を直接聞ける貴重な機会となる。

一本の通話が、映画作家の日常を変えた
ベン・ハニアはこれまで、フィクションとドキュメンタリーの境界を探り続けてきた作家として国際的な評価を得てきた。その監督が本作で向き合ったのは、2024年1月29日にパレスチナ・ガザ地区で起きた6歳の少女ヒンド・ラジャブをめぐる出来事だ。パレスチナ赤新月社のスタッフが、少女が助けを求める緊急電話を受け、救出しようと力を尽くした――その数時間が、89分の映画になっている。
監督はヒンドの通話音声を初めて聞いたときのことを、「彼女に起きた悲劇を思わずに、普段の生活を続けることができなくなってしまった」と振り返っている。作品づくりの出発点が、資料でも取材でもなく、一本の通話の記録だったということだ。映画の中で電話越しに響く声には、実際に残されたその日の通話記録が使われている。
23分間のスタンディングオベーションから、日本公開まで
昨年の第82回ヴェネチア国際映画祭では、銀獅子賞(審査員大賞)を含む8冠を達成し、上映後には23分間ものスタンディングオベーションが起きた。今年開催された第98回アカデミー賞では、国際長編映画賞にノミネートされた。
この作品を後押ししているのが、ハリウッドを代表する映画人たちだ。エグゼクティブ・プロデューサーには、ブラッド・ピット、ホアキン・フェニックス、ルーニー・マーラ、アルフォンソ・キュアロン、ジョナサン・グレイザー、マイケル・ムーア、スパイク・リーが名を連ねた。俳優や監督として活躍する面々が、一本のチュニジア・フランス合作映画を世界に届けるために力を貸している。
『ヒンド・ラジャブの声』は9月4日(金)公開。監督が登壇する先行上映会は、8月18日(火)に新宿武蔵野館で行なわれる。
















