『ハリー・ポッター』シリーズ後半の物語を動かすのが、ヴォルデモート不死の秘密「分霊箱(ホークラックス)」だ。全部でいくつあったのか、誰が何で壊したのか、そもそもどうやって作るのか。この記事では、分霊箱の仕組みから7つ(実は8つ?)の一覧、破壊された順番までまとめて解説する。ネタバレを含むので、未見の人は注意してほしい。
分霊箱(ホークラックス)とは?
分霊箱とは、自分の魂の一部を切り分けて物に隠す、闇の魔法の中でも最も邪悪とされる秘術。魂の入れ物が残っているかぎり、肉体を滅ぼされても完全には死なない。ヴォルデモートが『賢者の石』の時点で幽霊のような姿でも生きながらえていたのは、この保険のおかげだった。ワーナー・ブラザース公式サイトWizarding Worldの解説によると、あまりに邪悪な魔法のため、ホグワーツの書物からも記述が排除されていたほどだ。
分霊箱の存在が初めて明かされるのは6作目。ハリー・ポッター公式チャンネルの『謎のプリンス』予告編には、その不穏な空気が凝縮されている。
作り方の代償は「殺人」
魂を切り裂く方法はただひとつ、人殺しである。殺人は魂を引き裂く究極の悪行とされ、その裂けた魂の断片を呪文で物体に封じ込める——これが分霊箱の作り方だ。代償も大きく、魂を分割するたびに人間性が失われていく。ヴォルデモートの鼻が消え、蛇のような姿に変貌していったのは、魂を7回も切り裂いた代償とされている。あの顔になった理由はヴォルデモートの鼻の解説記事でも詳しく紹介している。
分霊箱一覧。7つの中身と破壊された順番
ヴォルデモートは魔法界で最も強力な数字「7」にこだわり、魂を7分割しようとした。分霊箱の一覧と、破壊した人物・手段は次のとおり。
| 順 | 分霊箱 | 破壊した人 | 破壊の手段 |
|---|---|---|---|
| 1 | トム・リドルの日記 | ハリー | バジリスクの牙 |
| 2 | マールヴォロ・ゴーントの指輪 | ダンブルドア | グリフィンドールの剣 |
| 3 | サラザール・スリザリンのロケット | ロン | グリフィンドールの剣 |
| 4 | ヘルガ・ハッフルパフのカップ | ハーマイオニー | バジリスクの牙 |
| 5 | ロウェナ・レイブンクローの髪飾り | クラッブ | 悪霊の火 |
| 6 | ハリー・ポッター自身 | ヴォルデモート | 死の呪文 |
| 7 | 蛇のナギニ | ネビル | グリフィンドールの剣 |
日記やカップのような「物」だけでなく、生きたナギニ、そしてハリー自身までが魂の入れ物になっていたのが、この設定の恐ろしさだ。
ハリーが「8つ目の分霊箱」だった理由
最大のどんでん返しが、ハリー自身が分霊箱だったという事実。赤ん坊のハリーを殺そうとして死の呪文が跳ね返った夜、ヴォルデモートの引き裂かれた魂の断片が、意図せずハリーに宿ってしまった。ハリーが蛇語を話せたのも、ヴォルデモートの心とつながっていたのも、体内の魂の断片が原因。つまりヴォルデモートを完全に滅ぼすには、ハリーが一度死ぬしかなかった——シリーズ全体を貫く伏線が、ここで一気に回収される。予定外の8つ目ができたことで、魂は7分割ではなく8分割になっていたわけだ。
破壊できる武器が限られているのはなぜ?
分霊箱は並の魔法ではかすり傷もつかず、修復不可能なほど強力な破壊手段が必要になる。作中で有効だったのは、猛毒を持つバジリスクの牙、その毒を吸収したグリフィンドールの剣、そして制御不能の呪いの炎「悪霊の火」の3つ。ちなみにヴォルデモートは分霊箱が壊されても気づかなかった。魂を切り離しすぎて、自分の魂の欠片との感覚さえ失っていたのだ。
分霊箱と「死の秘宝」は対の物語
最終章のタイトルにもなっている「死の秘宝」は、分霊箱と対をなす存在だ。分霊箱が「殺人によって死から逃げる」道具なら、死の秘宝は「死を受け入れて制する」伝説の魔法具。ヴォルデモートは最後まで前者に固執し、ハリーは後者を選んだ。2人の結末を分けたものの正体は、ヴォルデモートの最後の解説記事でじっくり解説している。(フロントロウ編集部)


















