米現地時間2月24日(日本時間2月25日)、ロサンゼルスにあるドルビーシアターで、オスカーの愛称で親しまれる第91回アカデミー賞授賞式(Academy Awards)が開催。映画界で「最も権威ある賞」と言われ、映画に携わる仕事をする人なら誰でも人生で一度は手にしたいと願うアカデミー賞。その授賞式では今年も様々なドラマが。
クイーンの登場でセレブがファンと化す
昨年公開され、日本だけでなく世界中で爆発的ヒットを記録した映画『ボヘミアン・ラプソディ』の題材となった伝説的ロックバンド「クイーン」がオープニングでパフォーマンスを披露。
クイーンについてよく知らない人でも、恐らく一度は耳にしたことがあるであろう、「ウィー・ウィル・ロック・ユー(We Will Rock You)」と「ウィー・アー・ザ・チャンピオンズ(We Are the Champions)」の2曲を熱唱し、授賞式に出席したセレブたちが完全にファンと化す様子が中継カメラに映し出された。
故フレディ・マーキュリーの穴を埋めたのは、数年前からクイーンのボーカルとしてライブ活動を行なっているアダム・ランバートで、パフォーマンスの最後でステージに設置された大画面にフレディの映像が流れるサプライズも。
主演男優賞&主演女優賞、どちらも「クイーン」が受賞!?
主演男優賞も主演男優賞も「クイーン(Queen)」が受賞して話題に。「バンド名」と「女王」で意味は違えど、英語のスペルもまったく同じクイーンのボーカルを演じたラミ・マレックと、正真正銘のクイーン(女王)を演じたオリヴィア・コールマンが、それぞれ主演男優賞と主演女優賞に輝いたことで、“Wクイーンが主演賞受賞”という奇跡が起きた。
マハーシャラが「黒人初の快挙」を達成
人種差別が色濃い1960年代を舞台にした映画『グリーンブック』で、天才黒人ピアニストのシャーリーを演じたマハーシャラ・アリが、2017年に映画『ムーンライト』で助演男優賞を受賞したのに続き、自身2度目となる助演男優賞を受賞。黒人の俳優として、史上初めてアカデミー賞の助演男優賞を2度受賞するという快挙を成し遂げた。
そんなマハーシャラの受賞を誰よりも喜んでいたのが、『グリーンブック』でマハーシャラ演じるシャーリーの用心棒として旅のおともをする相棒のトニーを演じた、俳優のヴィゴ・モーテンセン。
ヴィゴ自身は主演男優賞にノミネートされるも受賞はならなかったが、マハーシャラの名前が読み上げられた直後に熱い抱擁を交わし、映画のなかの相棒の快挙達成を心から祝福した。ちなみに、『グリーンブック』はアカデミー賞において最も重要な賞のひとつとされる「作品賞」も受賞している。
ガガがオスカー初受賞で“涙”
主演映画『アリー/スター誕生』の主題歌「シャロウ 〜『アリー/ スター誕生』愛のうた」で、最優秀歌曲賞を受賞したシンガーのレディー・ガガが、自身初のオスカー受賞に感極まってバックステージで大号泣。受賞発表で名前を呼ばれた時点で泣いていたガガだが、受賞スピーチを終えて安堵したのか、舞台袖に入るや否や再び涙を流して受賞の喜びを噛みしめた。
映画『ブラックパンサー』の受賞に“キャップ”が「私情」をはさむ
マーベル映画でキャプテン・アメリカを演じる俳優のクリス・エヴァンスが、シンガーのジェニファー・ロペスとともにプレゼンターとして登場し、美術賞の受賞者を発表。
受賞者の名前はジェニファーによって読み上げられたのだが、クリスはジェニファーが開けた封筒の中に同じくマーベル映画の『ブラックパンサー』のスタッフの名前が書かれているのを見て、興奮を抑えることができず、思わず左手で小さくガッツポーズ。
I honestly loved it. Chris Evans celebrating #BlackPanther’s Production Design #Oscar win before it can be announced.
— TV Fanatic (@Khaleesi_Hodan) February 25, 2019
pic.twitter.com/BXoZcpuQFW
“キャップ”ことクリスのマーベル愛にあふれたこの行動に、マーベルファンから歓喜の声が上がった。
ラミの受賞スピーチにクイーンの2人が再び「親の顔」に
映画『ボヘミアン・ラプソディ』で故フレディ・マーキュリーを演じて主演男優賞を獲得したラミ・マレックの受賞スピーチの際に、クイーンのメンバー、ブライアン・メイとロジャー・テイラーの2人が“再び”親の顔に。
そんなブライアンとロジャーに対し、ラミは受賞スピーチで「クイーンのメンバーへ、あなたたちの偉大で素晴らしい功績の小さな一部として、僕を携わらせてくれてありがとうございます。この恩は一生忘れません」という感謝の言葉をおくった。
おじさん同士のハグが胸アツ
2018年に映画『シェイプ・オブ・ウォーター』で監督賞を受賞したギレルモ・デル・トロが、Netflixのオリジナル映画『ROMA/ローマ』で今年のアカデミー賞監督賞を受賞したアルフォンソ・キュアロンとステージ上で熱い抱擁。ともにメキシコ出身で、これまでの苦労や道のりをお互いによく知る2人の“おじさん同士のハグ”に、胸を打たれる人が続出した。
無冠の女王がライバルの母を労う姿に称賛の声
今回のノミネートを含めて、これまでアカデミー賞に6度もノミネートされながら、一度も受賞を果たしていないことから「無冠の女王」の異名を持つエイミー・アダムス。「今年こそは…」と大きな期待がかかっていたが、助演女優賞の座に輝いたのは映画『ビール・ストリートの恋人たち』の女優レジーナ・キングという結果に。
またしてもオスカーを手にすることができなかったエイミーだが、すぐに気を取り直すと、CM休憩中に迷わずレジーナの母のもとへと向かい、ハグ&握手を交わしてレジーナの受賞を祝福。素直にライバルの受賞を喜ぶ彼女の人柄の良さが表れたこの行動に、称賛の声が集まった。
ガガ&ブラッドリーの「ラブラブすぎる姿」にヒヤッとする…
映画『アリー/ スター誕生』で息の合った演技を見せたレディー・ガガとブラッドリー・クーパーが、アカデミー賞授賞式でも仲の良さを見せつけてファンを複雑な気分にさせた。
この日、『アリー/ スター誕生』の主題歌「シャロウ 〜『アリー/ スター誕生』 愛のうた」を披露したガガとブラッドリーは、パフォーマンス中も映画さながらのラブラブぶりを発揮し、キスをしそうなほど顔を近づける場面も。
普通ならその様子を見てキュンとするところだが、会場にブラッドリーのパートナーでモデルのイリーナ・シェイクの姿もあったことから、「そんなにイチャイチャして大丈夫なの?」と心配になったファンも多かったようで、ガガとブラッドリーのあまりの親密ぶりに見ているコチラがヒヤッとさせられた…。
映画『女王陛下のお気に入り』出演者が「笑い」を勝ち取る
今年のアカデミー賞授賞式で賞だけでなく「笑い」を勝ち取ったのは、映画『女王陛下のお気に入り』のエマ・ストーンとオリヴィア・コールマン。
主演女優賞を受賞したオリヴィアを、お笑い芸人も顔負けの顔芸とリアクションで「全力で祝福」する姿がファンの笑いを誘ったエマに対し、オスカー初ノミネートにして初受賞を果たしたオリヴィアも、受賞スピーチで「(オスカーの受賞は)本気で精神的に疲れる」「(感謝の言葉を)もし言い忘れた人がいたら、あとで見つけて特大チューをするので許して」などと発言して観客や視聴者を大爆笑させ、ハートをわしづかみにした。
(フロントロウ編集部)