デュア・リパがメンタルヘルスケアについて語る
新型コロナウイルスの影響で「自粛疲れ」や「コロナ疲れ」、「コロナ鬱」といった心の問題を抱える人が世界中で急増するなか、シンガーのデュア・リパがモデルでアクティビストのアジョワ・アボアーのポッドキャスト番組『Gurls Talk(原題)』に出演し、メンタルヘルスケアについて語った。
「音楽はみんなを幸せにする力を持っているのに、当のミュージシャンたちはメンタルヘルスの問題に苦しんでいるなんて、あまりにも皮肉よね」と、以前、米NMEのインタビューで語っていたデュアは、新型コロナウイルス状況下で心の健康を保つために、日々どんなことを心がけているのだろうか?
予期せぬ事態を受け入れる
新型コロナウイルスによるパンデミックの最中にニューアルバム『フューチャー・ノスタルジア(Future Nostalgia)』をリリースしたデュア。アルバムの売れ行きは好調だが、宣伝のためのプロモーション活動は相次いで中止となり、4月末から始まる予定だったフューチャー・ノスタルジア・ツアーは2021年に延期となってしまった。
そんな、まさに試練ともいえる状況を悲観するのではなく、デュアは自分に“大丈夫”と言い聞かせて、受け入れることにしたそう。
「ものすごく明確なプランがあったにもかかわらず、それらがすべて白紙になってしまうなんて妙な感じ。でも、すぐに『全然、大丈夫』って思えるようになったの。少しペースを落として、時間をかけることや、我慢をすることが今の私たちには必要なんじゃないかと思う」
人に優しくする(ネット上でも実生活でも)
今回のパンデミックを通じて、デュアは人とのつながりがいかに大切なものかを思い知ったという。“当たり前”が当たり前ではなくなってしまったことで、友情の尊さを痛感させられたと語った。
「今までと違う感じがする。(新型コロナウイルスによるパンデミックを経験して)より共感力が高まったんじゃないかな。すべてが終わった時、この経験からみんなが良い教訓を得ることを願ってる。SNS上でしか繋がっていない見知らぬ人同士でも、こうやって愛を分かち合うことができているんだもん」
現在、デュアはモデルのジジ・ハディッド&ベラ・ハディッド姉妹の弟で、モデルとして活動する恋人のアンワー・ハディッドとともに隔離生活を送っている。
ルーティンを決める
デュアいわく、これまで通りの生活を送るのが難しい状況のなかでも、ルーティンを決めて、それに沿った生活を送ることで、気持ちを落ち着かせることができるそう。
「私と私の友達は、朝起きたらまず決まった時間にフェイスタイム(※アップルの動画通話アプリ)を使って、一緒にワークアウトをするの。ほとんど同じ場所にいながらやってるような感覚よ。おかげで、ほんの少しだけど“これまで通りの生活”を味わうことができるし、気楽に過ごすことができる」
ちなみに、モデルのカイア・ガーバーも、この未曾有の事態で平常心を保つために「毎日香水をつける」など、独自のルーティンがあることを米Allureのインタビューで明かしている。
SNSから離れてひと休みする
「正直、SNSと距離を置いていなかったら、セカンドアルバムを完成させることはできなかったと思う」
デュアにとってSNSはファンとつながるための大切なツールであり、ネット上で存在感を示すことも重要な仕事のひとつであるものの、“ネットいじめ”と呼ばれる誹謗中傷や、ネット上で存在感を発揮しなければならないことへのプレッシャーが原因で、楽しむ余裕がなくなってしまったという。
現在もインスタグラムは続けているデュアだが、ツイッターに関しては、心の健康のために辞めたと今年5月に米NMEのインタビューで発言。現在も更新は続いてはいるけれど、あくまでインスタグラムの投稿の再投稿とリリースなどオフィシャルな投稿に限定されている。デュアは米NMEでツイッターの使用中止を告白した際、ネット上にあふれる罵詈雑言について、「虐待的なコンテンツとか、そういった類のものが運営側に削除されるのは知ってる。でも、彼ら(運営側)が特定のネットいじめについて、そこまで真剣に考えているとは思えない。(ネットいじめによる被害を防ぐためにも)もう少し細かく監視する必要があると思う」と、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムといったSNSの運営側の監視体制に苦言を呈していた。
また、デュアはインスタグラムとツイッターの“違い”について、インスタグラムは写真がメインでブログ感覚で更新できるため、投稿後の反響を気にすることはないが、ツイッターはツイートした後に届いたコメントをチェックせずにはいられないそうで、嫌でもネガティブな言葉が目に入ってきてしまうと説明している。
日記を書く
先日、フロントロウでお伝えしたが、日記にはその当時の出来事や思い出を記録するだけでなく、ストレスを発散して心をリフレッシュする効果があることから、日課にしているセレブが多く、デュアもコロナ禍にできる心のケアのひとつとして日記をすすめている。
「とりあえず紙を用意して、そこに今自分の頭の中にあることを何でもいいから書いてみて。支離滅裂で、意味がわからなくてもかまわない。でも、絶対に効果を感じられると思う」
デュアは日記にどんなことを書いているのか言っていなかったが、例えばデュアと同じく日記をつけているというシンガーのショーン・メンデスは、「真実は…(Truth is…)」という名前をつけた日記に、普段言えない“本音”を綴ってうっぷんを晴らしているそう。(フロントロウ編集部)