エマ・ワトソンの歌声は本物?
ベル役として劇中で複数の歌唱を披露しているエマ・ワトソン。そんな彼女は本当に歌っているのか? シンプルな答えはイエス。エマは収録時の緊張感について、Total Filmでこう語った。
「これまで映画で役のために歌わなければならなかったことはなかったから、私がこのように全く違うことをするのを見て、みんな関心を持つと思う...それって私にとってはある種の新しいチャレンジ。とても怖いことでしょう」
そんなエマは『美女と野獣』のために3ヵ月もの間ヴォイスレッスンに通ったそうで、「私は泣いてしまった。3ヶ月間の歌のレッスンをなんとか乗り切ってきた自分の上達を目の当たりにして、信じられなかった。本当に誇りに思えた」と、努力が実になったことに感極まってしまったと、英情報番組『This Morning』で明かした。
ちなみに映画の公開前には、あるおもちゃ店のフライングでエマの歌声が先に公開されてしまうというハプニングもあった。
演技のために3ヵ月間の「プリンセス・ブートキャンプ」
歌声のレッスンのほか、3か月間のプリンセス・ブートキャンプと称するトレーニングも行なったというエマ・ワトソン。これは、プリンセスとしての身のこなしや素養を身に着けるための、いわば“プリンセス修行”のようなもの。
その内容についてエマ・ワトソンは、「乗馬の特訓や、(ダンスの)ワルツの練習、歌のレッスンとリハーサル」と、過去に出演した米人気トーク番組『The Tonight Show(ザ・トゥナイト・ショー)』で説明。撮影がスタートする約3ヵ月前から、「歌のレッスンを週に4日、ダンスの練習を週に5日、乗馬の特訓を週に3日」という、超ハードなスケジュールをこなしていたことを明かしている。
ベル役ではなくシンデレラ役をオファーされていた
じつは『美女と野獣』の主演をオファーされる前、別のディズニープリンセスであるシンデレラ役をオファーされていたエマ・ワトソン。しかしエマはこの役をスルー。のちにイギリスの映画雑誌Total Filmで、「ベル役へのオファーをもらった時、シンデレラ役よりも、もっとキャラクター(ベル)に共感することが出来たの」と語ったので、どうやらシンデレラ役はあまり自分にしっくりこないと感じたため、断ったよう。
子供の頃にアニメ版『美女と野獣』を、両親に止められるくらい繰り返し見ていたというエマ・ワトソンにとって、ベルは理想の女性像なのだそう。
「ベルは好奇心旺盛で、思いやりがあって、偏見がないの。そんな女性こそが、私がお手本として体現したいと思う(女性像)」と語ったエマは、「彼女は完全に独立した視点を持っている。恐怖を利用したり、罪をなすりつけようとするような人の考え方に、簡単に惑わされたりすることもないの」と、ベルの意思の強さにも魅力を感じていると明かした。
ちなみにビル・コンドン監督いわく、「エマ・ワトソンは我々の第一、というか唯一のベル候補だった」そうで、「たくさんの理由でね。彼女の才能、美しさ、知性。エマ・ワトソンは21世紀の強い女性のお手本だからね」と、公式舞台裏映像で語った。
エマ・ワトソンのギャラはいくら?ボーナスは?
『美女と野獣』で主人公のベルを演じるために、300万ドル(約3.3億円)のギャラで契約したエマ・ワトソン。ただこの契約には映画の興行収入に比例してもらえるボーナスのような契約も含まれており、世界興収が750億円を超えたディズニーの実写映画『マレフィセント』のようなヒット作になれば、最大で1,500万ドル(約16.5億円)をもらえるとThe Hollywood Reporterが公開前に報じていた。
結果、映画は世界で約1,400億円に達するメガヒット作に。日本でも124億円の大ヒットとなった。つまりエマは、16.5億円を手にした可能性が高いということ。『ハリー・ポッター』のときは最後の2作合わせて3,000万ドルを得たとされているので、『美女と野獣』はエマにとって『ハリポタ』卒業以来の高い収益となった。
さすがフェミニスト! 職業と衣装に映画とアニメで違い
フェミニストであること公言しているエマは、実写版『美女と野獣』の制作にあたり、アニメ版からのいくつかの“進化”をプッシュしたという。
ひとつめは、ベルの衣装からコルセットをなくしたこと。コルセットには、男性が理想とする女性らしい体の曲線美を強調する役割があることに加え、締めつけにより体の動きや呼吸を制限するものであったことから、色々な意味で「女性の自由を束縛するもの」というイメージを持つ人も多い。そのためエマは、衣装担当のジャクリーン・デュランに「コルセットや動きを制限するような衣装は嫌」と求め、よりアクティブなベルが誕生した。
そして2つめが、ベルの職業。アニメ版でのベルは“本好きの町娘”という設定だったが、「彼女が本好きなのはわかったけど、一体何のために? 職業は? 」と疑問を感じたというエマと制作陣は、アニメ版でベルの父の職業としてされていた発明家という職を実写版ではベルの職業として描いた。
野獣役ダン・スティーヴンスとの距離が縮まった瞬間
エマ・ワトソンは野獣役のダン・スティーヴンスとは、ワルツの練習を通して絆を深めたそう!
ダン・スティーヴンスは、「私たちが会うのはほとんどダンスフロアだった。象徴的なワルツを習うトレーニングをしていたから。共演者のことを知り、すぐに壁を破るには、ダンスフロアで手探りで、できれば転ばないようにするのがとても良い方法だ。もちろん、(野獣の身長になるために)私は竹馬に乗ってそれを学ばなければならなかったから、信頼関係が築かれたよ」と、エマ・ワトソンとのリハーサルの様子をComicBookで明かした。
ワルツを踊るシーンはエマ・ワトソンにとっても記憶に残るものだったそうで、「緊張した。だってあの黄色いドレスは、世界中の女の子の想像力の中で愛されているものだから、完璧に仕上げたかった」とETに語った。このシーンは、のちに撮影中の様子が面白すぎるとバズって話題にもなった。
ちなみに過去に、エマ・ワトソンは『美女と野獣』のどの男性キャラクターに個人的に惹かれるかを聞かれたときには、「野獣が(人間に)変身したときに、ちょっと悲しくなったの。『オー、(野獣の姿)すごくよかったのに』って。彼はかっこいい。野獣ってセクシーでしょ」という斜め上な解答でファンを驚かせていた。
エマ・ワトソンが「退屈」と言ったシーンが納得
マジメなエマが珍しく、撮影が退屈だったと明かしたのが、ルミエールやコグスワースが、『美女と野獣』の中でも人気曲である「ビー・アワー・ゲスト」を食卓で歌うシーン。
ディズニーの公式YouTubeでこれを明かしたエマは、「私は文字通り空っぽのテーブルに座っていたの…何もないところを見つめながらね」「今まで撮影したもののなかでも一番退屈なシーンだった」とコメント。じつはこのシーン、エマ以外はすべてCG。見えないキャラクターたちを相手に、何もないところに向かって何日間も演技をしなければいけなかったため、さすがのエマもちょっと飽きてしまったよう。
『ハリポタ』仲間、トム・フェルトンやマシュー・ルイスが応援
2017年にハリウッドで行なわれた『美女と野獣』のLAプレミアには、『ハリー・ポッター』でマルフォイを演じたトム・フェルトンとネビルを演じたマシュー・ルイスも出席。
ファンのあいだでエマ・ワトソンとのロマンスを求める声が強く、『美女と野獣』実写化のニュースが出たときには野獣役を演じてほしいという声が挙がったトム・フェルトンはレッドカーペットこそ歩かなかったが、後日別のイベントで、「ラブリーなエマを『美女と野獣』で見られた。圧倒されたよ。素晴らしい作品だと思った。彼女はファンタスティック」と大絶賛した。
実写版『美女と野獣』続編の可能性は? エマ考案のあらすじはこう
ファンが望む実写版『美女と野獣』続編について、エマ・ワトソンはAccess Hollywoodで「ぜひ続編をやりたい」と、ダン・スティーヴンスはVarietyで「(もし続編のオファーがあれば)受けるよ」と語っており、適切な脚本があればキャスト陣は乗り気なよう。
ちなみにエマ・ワトソンが考える続編のあらすじは、読書家な彼女らしく本が中心。「ベラは教師になるんじゃないかな、っていつも思ってたの。あと、お城の中で図書館もやっていて、村の人たちのために(図書館を)開放してるの」とAccess Hollywoodに語った。
実写版『美女と野獣』のスピンオフドラマは2022年制作予定
‘Beauty and the Beast’ Prequel Series Greenlighted By Disney+; Briana Middleton Joins Josh Gad & Luke Evans https://t.co/l1wiPQPTXK pic.twitter.com/kXY9zFjvd8
— Deadline Hollywood (@DEADLINE) June 15, 2021
実写版『美女と野獣』の続編の計画はその後聞こえてきていないが、スピンオフの計画は進んでいる。実写版の前日譚とされている本作は、動画配信サービスディズニープラスで配信される全8話のドラマシリーズ。映画からはルーク・エヴァンスとジョシュ・ギャッドがガストンとル・フォ役で続投し、ブリアナ・ミドルトン演じるティリーという新キャラクターも登場する。2022年に制作開始とされている本作のあらすじはこう。
ガストンとル・フウは、ル・フウの義姉妹(義母または義父の娘)であるティリーの衝撃の過去が明るみになったことがきっかけで、予想もしなかった冒険の旅へと繰り出すことに。過去にまつわるいくつかの謎が解けるなか、現在を脅かす危険はどんどん大きくなっていく。たくさんの秘密を隠している王国では、古き友人たちにくわえて、新たな敵が次々に正体を現していく…。
(フロントロウ編集部)