シンガーのハリー・スタイルズのニューアルバムに収録された“寿司屋のための音楽”が予想の斜め上を行くカッコよさ! 歌詞の意味を解説。(フロントロウ編集部)

ハリー・スタイルズの新曲「Music for a Sushi Restaurant」

 社会現象的人気を誇った英ボーイズグループ、ワン・ダイレクション出身のハリー・スタイルズがソロ3作目となるアルバム『ハリーズ・ハウス(Harry’s House)』をリリース。

画像: ハリー・スタイルズの新曲「Music for a Sushi Restaurant」

 これから始まる夏にぴったりなハッピーでカラフルな楽曲が盛りだくさんな同作の1曲目に収録されている「Music for a Sushi Restaurant(ミュージック・フォー・ア・スシ・レストラン)」が秀逸すぎる! 

 和訳すると”寿司屋のための音楽”となる「Music for a Sushi Restaurant」。“寿司屋のための音楽”と聞いて、日本人がパッと思い浮かべるのは、やはり琴や尺八といった和楽器が奏でる伝統的な日本音楽、もしくは、1986年にシブがき隊がリリースした「スシ食いねェ!」、ORANGE RANGEが2015年に発表した楽曲「SUSHI食べたい」、TikTokなどを通じて海外でも人気となっているラッパーのSHOによる「I LIKE SUSHI」などではないだろうか。

 寿司ネタをラップ調に連呼する楽曲が多いなか、ハリーによる「Music for a Sushi Restaurant」はジャパニーズ・アーティストたちの寿司ソングとは少し毛色が違う。

 歌詞には確かに寿司の材料や、寿司のお供として欠かせない緑茶などが登場するものの、その言葉遊びに満ちた表現方法はなんともロマンチックでセクシー。メロディック・ポップに分類される曲調も、スキャットを取り入れるなど、オシャレでどこかレトロな仕上がりとなっている。

 「Music for a Sushi Restaurant」の注目歌詞とその意味を抜粋して紹介!

「緑色の瞳(※1)、チャーハン、君は目玉焼きが作れそうなほどホットだね/夜更け、ゲームタイム、コンロの上にはコーヒーが(Oh)/君は甘いアイスクリーム、でも少しばかりフレーク(※2)が必要かな/ブルーのチューインガムを舌で弄んで」

Green eyes, fried rice, I could cook an egg on you/ Late night, game time, coffee on the stove (Oh)/ You're sweet ice cream, but you could use a flake or two/ Blue bubblegum twisting 'round your tongue

※1「緑色の目」は英語では「嫉妬深い」という裏の意味もある ※2「flake」はスラングで「エキセントリックでクレイジーで、信用ならない人」、つまり“遊び人”という意味も。アイスクリームにトッピングする「フレーク」とかけている。

「すみません、緑茶を/ミュージック・フォー・スシ・レストラン/ごはんの上の茶色の瞳(スクービー・ドゥーバ・ドゥーバ・ドゥー・ブー・ブー)」

Excuse me, green tea/ Music for a sushi restaurant/ Brown eyes on rice (Scooby-dooba-dooba-do-boo-boo)

日本への長期滞在経験も! 日本通で知られるハリー

 ハリーと言えば、2013年にワン・ダイレクションのメンバーたちと初来日を果たして以来、日本という国にすっかり惚れ込んでいることで知られる。

画像1: 日本への長期滞在経験も! 日本通で知られるハリー

 2018年~2019年年末年始にかけて完全プライベートで単独来日し、約1カ月間も滞在。日本語の勉強にも力を入れており、現在ではちょっとした日常会話がこなせるほどのレベルに。パンデミックが収束したら東京に移住したいと米Vogueのインタビューで語ったこともある。

 そんな親日家のハリーが、最新アルバムの収録曲に日本の伝統食である寿司にまつわる楽曲をラインナップしたのは、取り立てて不思議なことではないのかもしれない。

画像2: 日本への長期滞在経験も! 日本通で知られるハリー

 ただし、ハリーが歌う「Music for a Sushi Restaurant」の歌詞には、「チャーハン(fried rice)」も登場するため、ここでいう“寿司レストラン”は、日本国内にある昔ながらの寿司屋ではなく、欧米の国々でよく見かける、寿司をメインメニューに据えながらも、チャーハンや餃子、うどん、ラーメンといった日本料理を中心とするアジア料理を一緒くたにして提供する“日本食レストラン”のイメージに近いよう。

 いずれにせよ、強豪ぞろいの“お寿司を食す時のプレイリスト”にハリーのオシャレな楽曲が加わった。

 アルバム『ハリーズ・ハウス』は、そのタイトル通り、オーディエンスをまるでハリーの自宅に案内されたような気持ちにしてくれるような作品となっている。ハリーは本作について、「これまでで最も大胆で楽しくて、群を抜いて親密なサウンドになっています」と米Better Homes & Gardensとのインタビューで説明しており、過去2作よりもさらにパーソナルな内容に。

 計13曲の収録曲のいくつかには、寿司以外にも、さまざまな食べ物や飲み物、色彩表現が登場するので、それらが持つ裏の意味について考えてみるのも楽しいかもしれない。(フロントロウ編集部)

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