リナ・サワヤマが初となるジャパンツアーを開催。エンパワーメントに満ちていた最終日の東京公演の模様をレポート。(フロントロウ編集部)

地獄での華金は「This Hell」でフィナーレ

 ライブはここからクライマックスへ。「ちょっとシティポップでも聴きたくてね」「これは私のカミングアウト・ソング」という紹介から披露されたのは、リナがその名前を広めるきっかけになった曲の1つである「Cherry」。

 色とりどりのライトに照らされながらのパフォーマンスでもう一度会場をあたためたリナは、セルフタイトルの前作より「Comme Des Garçons (Like the Boys)」と「XS」を立て続けにパフォーマンス。観客のテンションを最大限まで高めて、「バーイ!」とステージを後にした。

 本編を終えて一度ステージからはけて再び戻ってきたリナ。「みんな一緒にいるんだから、今日は地獄で華金だ!」と観客のボルテージをさらにあげて、「This Hell」で約80分におよんだこの日の公演のフィナーレを迎えた。

画像1: 地獄での華金は「This Hell」でフィナーレ

 冒頭にも記したように、「This Hell」では「あなたと一緒ならこの地獄もマシ/私たちは一緒に燃える」という歌詞が歌われる。リナはこの曲について以前行なったインタビューで、「根本的に愛されていないように感じていたり、自分らしさを認めてもらえていないように感じていたりする人たちのためのコミュニティ」のような曲だと語ってくれたが、間違いなくこの日の東京ガーデンシアターには、そんなコミュニティが生まれていたと思う。リナは自分らしさを認めてくれない環境を“地獄”と例えているが、彼女の言葉を借りればこの日のライブはまさに、リナが力強くてあたたかいパフォーマンスで地獄にもたらしてくれた、誰もが自分らしさを肯定される束の間の“華金”のようなセーフスペースだった。

 残念でならないのは、これが毎週金曜日にオープンが約束されている空間ではないということだ。もちろん、普段の月〜金を何の心配もなく過ごせる社会が実現すればいい話なのだが、現代社会に“華金”として降臨したリナはエンパワーメントに満ちた圧巻のパフォーマンスで、日常のなかで音楽が果たしている多くの役割を改めて証明してくれた。今回の東京公演はリナにとってキャリアで最大規模の単独公演となったが、願わくば次はもっと大きなところで、このコミュニティを創り出してほしい。

<リリース情報>
リナ・サワヤマ
セカンドアルバム『ホールド・ザ・ガール』
発売中

画像2: 地獄での華金は「This Hell」でフィナーレ

(フロントロウ編集部)

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