The 1975のマシュー・ヒーリーがポッドキャストで日本人などを侮辱するトークに加担したとして炎上し、マシューに説明を求める声が多くあがっている。そんなマシューはこれまで日本への愛をたびたび語ってきた人物である一方、歯に衣着せぬ物言いから炎上することも多かった。(フロントロウ編集部)

SNSでの炎上は数知れず、一方で社会問題に声をあげてきたマシュー・ヒーリー

 マシューは社会問題に積極的に声をあげてきたアーティストの1人だが、歯に衣着せぬキャラクターゆえに、そのやり方が疑問視されることもたびたびあり、炎上したのも今回が初めてではない。2020年には、マシューによる一連の問題発言をThe 1975のファンがまとめたツイートがバズったこともあった。

 マシューの発言が問題視された例の1つとして、2020年5月に黒人男性のジョージ・フロイド氏がアメリカで警察官によって首を膝で抑えられたことによる窒息が原因で亡くなり、Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター/黒人の命には価値がある)運動が世界的に巻き起こったときにマシューがツイートした投稿がある。彼はこの時、バンドの楽曲「Love It If We Made It」のミュージックビデオのリンクをツイッターに投稿したのだが、“便乗して再生数を上げることに事件を利用するのか”と一部から批判が寄せられることに。マシューはこのことがきっかけで、一度アカウントを削除した。

 しかしながら、マシューがこの楽曲のビデオを投稿したのには理由があった。この楽曲には、「(黒い色素である)メラニンを商品にしながら 黒人を窒息させる」という、黒人たちのカルチャーを利用しながらも差別が蔓延していることを批判する歌詞が含まれている。奇しくも、ジョージ・フロイド氏が亡くなった事件よりも前にリリースした歌詞の内容が現実とリンクすることとなったこの楽曲のMVを投稿した理由について、マシューは2022年に英NMEとのインタビューで次のように述べている。

 「『勘弁してくれよ。僕が金稼ぎのために使ったわけじゃないのは分かるだろ。YouTubeで再生されても0.5ペンス(約0.8円)しか稼げないんだからさ』っていう感じでした。僕が言いたいのは、『これについては深く考えた』ということで、みんなが何日も『何か言ってくれよ!』っていう感じだったから、『僕としてはこう考えています』って提示したに過ぎません」。

 また、2019年にアラブ首長国連邦のドバイで公演を行なった際には、コンサートの最中に男性ファンにキス。同国では同性愛は犯罪とされており、マシューはそれに抗議するためにキスをしたと当時話題になったのだが、この時にも、“マシューは出国すればいいが、キスの相手となった男性は逮捕されてしまうリスクがある”という批判が一部から寄せられることとなった。

画像: SNSでの炎上は数知れず、一方で社会問題に声をあげてきたマシュー・ヒーリー

 加えて、マシューはここ日本でも社会を変えるような行動を起こしている。マシューは2020年、「あなたの出演条件に、女性とノンバイナリーのパフォーマーが出演者のX%(理想は50%です!)を占めるフェスティバルにしか出演しないという条件を加えてください!」と自身に呼びかけたジャーナリストからのお願いに応じる形で、今後はそのようなフェスティバルにしか出演しないことを表明。

 マシューは実際にその指針を守っており、2022年に日本のサマーソニックでヘッドライナーを務めた際には、サマーソニックにもジェンダー比のバランスに関してリクエスト。サマーソニックを主催するクリエイティブマンで代表を務める清水直樹氏が現代メディアに明かしたところによれば、マシューから「女性アーティストの比率を高めて欲しい」という要望があり、フェスティバルとしてそれに応えたという。

 マシューやThe 1975はこれまでに、他にもメンタルヘルスや気候変動、女性の中絶の権利など、様々な社会問題について声をあげてきたことで知られている。

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