キアヌ・リーブスは、“あるもの”が怖いと感じているという。それは映画撮影の契約内容にも影響していた。(フロントロウ編集部)

キアヌ・リーブスが「怖い」と思っていること

 俳優としてそんな経験をしたことは、彼があるものを「怖い」と感じていることにも繋がっている。そのあるものとは、ディープフェイク。

 AI技術によって、動画の中にいる人の顔など一部を入れ替える技術のことで、オンライン上には、『マトリックス』のキアヌの顔をウィル・スミスに置き換えたものや、『ハリー・ポッター』のシリウスがキアヌになっている映像など、数多くの動画が公開されている。おそらく自分の動画にキアヌの顔をディープフェイクしているTiTokアカウントは、アカウント名や自己紹介には「リアルではない」「パロディ」とは書いているものの、各動画では何も説明がなく、誤解する人が続出した。その他にも、政治家のフェイク動画制作や性犯罪への利用など、危険性は高い。

 キアヌは俳優として、映像制作にディープフェイクが利用されれば、そこから俳優の視点や演技の意図がなくなることが「怖い」という。

 そして、キアヌとテクノロジーの話で盛り上がったとなれば、話が『マトリックス』にいかないわけはない。インタビュアーが、あの映画は予言のようになっていると話したら、キアヌはエージェントスミスの声マネをしながら「奴らは君のために決断し始めている。それは僕たちの世界になった」と反応! しかし、最高すぎる一面を見せた後に、彼が若い世代と話して感じたことを真剣に語った。

画像: キアヌ・リーブスが「怖い」と思っていること

 彼は以前、15歳の子に『マトリックス』のあらすじを説明したそうなのだが、その時その子が返した言葉は「現実かどうかなんて、誰が気にするの?」というものだったという。キアヌはテクノロジーやAIによるアート作品を否定しているわけではなく、興味深いと考えているという。しかし現代社会でそれらがどのような影響力を持ち、どのような変化を作っていくのかには、懸念もあるよう。

 「しかし、それらの後ろには企業による支配があり、物事をコントロールしようとしています。文化で、社会で、私たちは現実の価値、もしくは無価値と直面することになる。そして、何が私たちを後押しするのか?なにが私たちに与えられるのか?」

 ちなみにキアヌは、2021年に唯一無二のデジタルアイテムを指すNFTについて興味がない様子を見せていたが、2022年に、ニュージーランドを拠点とするクリエイティブテクノロジーのスタジオNon-Fungible LabによるFutureverse FoundationというNFTに関するプログラムで、アドバイザーとして参加することを発表。キアヌの恋人でアーティストのアレクサンドラ・グラントも、ともにアドバイザーに就任した。

(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.