日本にルーツを持つDJ/プロデューサーのグリフィンにインタビュー。キャリアの初期の頃からの親友カイゴや、ワンリパブリック、ティナーシェ、ムー、セイレム・イリースといった豪華コラボレーターが参加している最新アルバム『Alive(アライヴ)』についてはもちろん、日本のチャートで急上昇することとなった「Tie Me Down」や「Body Back」、日本での思い出、そして、出演が決定しているフジロックフェスティバルへの意気込みについても訊いた。(フロントロウ編集部)

『アライヴ』で実現した豪華コラボや親友カイゴとの友情について

最新作『アライヴ』にはワンリパブリックやティナーシェ、カイゴ、セイレム・イリース、ムーなど多くのアーティストが参加しています。過去にはカーリー・レイ・ジェプセンなどともコラボしていますが、今までコラボしてきたなかで、そのスター性に最も魅了されたアーティストを挙げるとしたら誰でしょう?

『グラヴィティ』の時に(「OMG」で)カーリー・レイ・ジェプセンと仕事をしたときはそのスター性に圧倒されましたし、とてもクールな体験でしたね。すごく優しい方でした。この業界に長くいる方でも、その方の普段の人間性というのはわからないものですが、実際にお会いしたときに彼女は本当に素敵な方で、なおさら魅力的に感じましたね。

それから、(『アライヴ』に収録の「You Were Loved」で)ワンリパブリックのライアン・テダーと仕事ができたときもクールでしたね。長い間、アーティストとしてもソングライターとしても尊敬してきた方なので、一緒に仕事ができて、彼がどのように楽曲制作やソングライティングにアプローチしているのかを理解できるチャンスがあったのは嬉しかったです。本当にプロフェッショナルでした。

実際、ライアン・テダーとの共作はいかがでしたか? 具体的にはどんな発見がありましたか?

彼は本当に素晴らしかったです。彼はストーリーテリングや作詞に本当に長けていると思いますし、耳に残る(曲を作る)というところを知り尽くしていて、ものすごくキャッチーな音楽を作ることができます。それから、シンガーとしても素晴らしい。歌声の使い方もそうですし、ハーモニーやメロディラインなども熟知している。才能の塊ですよ。彼から学んだこととしては、自分はこれまでのキャリアでハードワークしてきたつもりだったのですが、彼のハードワーカーぶりはレベルが違ったという点ですね。何年もの間、成功し続けているような方が、今なおあのレベルでハードワークしているというのは、本当に刺激になりました。ライアンとの仕事は特別でしたね。

先日、アスペンで開催されたPalm Tree Music Festivalでカイゴと共演されていましたね。カイゴとはずっと友人だったそうですが、今回『アライヴ』に収録された「Woke In Love」で初めてコラボレーションが実現することになりました。

そう、彼とは2015年か2016年くらいからの友人です。僕らは同じくらいの頃にキャリアをスタートさせて、SoundCloudやYouTubeに音源をアップしたり、リミックスしたりということをしていたので、そういう共通点からよく連絡を取り合っていました。2017年には彼のヨーロッパ・ツアーに帯同したこともありました。そういうわけで、彼とはずっと友人ではあったのですが、音楽を一緒に作ったということはなくて。そんななかで、去年の夏に、確かLAで一緒にいたときだったと思うのですが、そのときに彼から「聴かせたい曲があるんだ。クールな曲だと思うし、コラボできたらと思ってる」ということを言われて、その1ヶ月後くらいに音源を送ってくれました。当時ホテルで作業をしていた僕はすぐにその曲を聴いたのですが、すごく気に入りました。それで、「やるべきことは分かってる。プロジェクトを送ってくれ」ということを彼に伝えて、ホテルの部屋で一晩中それに取り掛かりました。それで、翌朝起きたら「これ最高だよ。こちらも送り返すから、仕上げに取り掛かろう」っていうメッセージが彼から入っていたっていう。そこから何週間かかけて仕上げました。

すごくクールでしたね。オーガニックなコラボという感じでした。友だちなので、共作する上でプレッシャーをかけることなく取り組んだのですが、最終的にはとてもうまくいって、お互い満足していますし、誇りに思っています。将来また一緒にできたらいいですね。友だちと一緒に音楽を作るのはいつだって楽しいことでした。キア(※カイゴの本名)のことや彼がキャリアで成し遂げてきたことは心からリスペクトしていますし、彼と一緒に過ごす時間はいつも楽しいです。

『アライヴ』に参加した、ムーやティナーシェ、セイレム・イリースそれぞれとのコラボが実現した経緯についても教えていただけますか?

「Reckless」について

カレン(※ムーの本名)とはずっと一緒に曲をやりたいと思っていました。実は過去に「Tie Me Down」も彼女に送っていたくらいで。当時、彼女はすごく多忙な時期だったので、それは見送られることになったのですが。彼女の決断はリスペクトしていますよ。「Reckless」では、LAを拠点にしているスネイクヒップスと一緒にやることになって、初期のバージョンを一緒に作りました。それを彼女に送ってみたところ、とても気に入ってくれたという経緯です。僕の世界観と、彼女の世界観の中間を見つけるという作業を行ったのですが、まさにこの楽曲にぴったりな地点を見つけられたと思っています。彼女は本当に才能あるアーティストですし、最高の体験になりました。

「Scandalous」について

ティナーシェとの仕事も最高でした。ティナーシェと仕事をしたときも、彼女のスター性に圧倒されましたね。この曲は素晴らしいソングライターであるアンドリュー・ジャクソンと書いた曲で、元々は男性が歌っていました。それをティナーシェのチームに送ってみたところ、彼女がとても気に入ってくれて、この曲に女性ボーカルという新たしい雰囲気をもたらしてくれました。そこから彼女と一緒に組み立て直していったという感じです。この曲もクールな体験になりましたね。

「Glitch In The Simulation」について

元々はセイレムのマネージメントチームから送ってもらった曲なのですが、クールでユニークだと思いました。彼女は本当にクールな歌声の持ち主ですよね。僕らは2人ともサンフランシスコのベイ・エリアの出身で、そういう共通点もありました。とにかく、送ってもらった楽曲を僕が改めてプロデュースして、また彼女に送ったところ、それを彼女も気に入ってくれて、どこを変えるべきかということのメモと一緒にまた送り返してくれてっていう感じで、最終的にはアルバムに入ることになりました。楽しく作ることができた1曲でしたね。歌声もそうですし、セイレムは本当にクールな人ですよ。そういうわけで、今挙げた3曲はどれも楽しみながら作れました。

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