筋トレでオーバーワークがNGなワケ
継続的に筋トレを実践するうえでNGと言われていることのひとつがオーバーワーク。オーバーワークとは、いわゆる筋トレのやりすぎ。具体的にはトレーニングによる筋肉の疲労回復を待たずして、さらに負荷をかけてしまう状態を指す。
なぜオーバーワークがNGかというと、せっかくの筋トレの成果が出にくくなってしまうから。米国認定ウェイトリフティング スポーツ パフォーマンス コーチのアレナ・ルチアーニ氏は、「トレーニングのやりすぎは目標達成を妨げ、身体に良い影響を与えるどころか害を及ぼす可能性があります」と米Shapeで説明。
通常トレーニングをすると筋繊維が破壊され、その後修復して筋肉が再構築されることで筋肉の増強が見込める。ただし筋肉の修復が追いつかずにさらに負荷をかけてオーバーワークになることで疲労困憊になり、かえって成果が出にくくなってしまうのだという。
さらにこの状態が続くと疲労が蓄積し、慢性疲労が続いて回復しにくくなる「オーバートレーニング症候群」に陥ることも。オーバートレーニング症候群になると、運動のパフォーマンスの低下のみならず、強い倦怠感や睡眠の質の低下、食欲低下など心身にさまざまな影響を及ぼすと言われている。
とはいえハードな筋トレで追い込むことは必ずしもオーバーワークになるわけではなく、オーバーワークになるのを防ぎながら筋トレを続けるコツがあるという。
日によって筋トレするパーツを分ける
オーバーワークを防止する方法として運動生理学者のピート・マッコール氏が勧めるのは、パーツ分けして筋トレを実践すること。
マッコール氏は「週に複数回筋トレを実践する場合は、下半身中心や上半身中心など日によってトレーニングする筋肉群を分け、同じ筋肉群のトレーニングは連続して行なわないことが大切です」と説明。さらに週に4~5回と半分以上筋トレを取り入れるのであれば、同じ筋肉群のトレーニングは2回ずつ程度に留めるべきだと補足した。
そうすることで疲労した筋肉を回復させる時間が取れるため、筋肉の増強が見込めるのだという。また筋肉の痛みが残っているなど十分に回復していないときには、ゆるめのトレーニングに切り替えるなどの工夫をするようアドバイスした。
そのほかにも、十分な睡眠時間を確保すること、バランスの取れた食事を意識することなども大事だそう。
オーバーワークになるのを防ぎながら筋トレを実践するコツ。継続的に筋トレを取り入れるならぜひ参考にしてみて。