MVの簡単解説はコチラの年表へジャンプ
「TS」の墓場
オープニングの墓場を上空から映したシーンでは、墓石がテイラーのイニシャル「TS」の形に配置されている。
意味:他セレブとのバトルが連発していた時に、「テイラーのキャリアは終わった。テイラーは死んだ」とはやし立てられたことに関係している。
「テイラーの評判」は死にました
墓場に入ると、「ここにテイラー・スウィフトの評判が眠る」と刻まれた墓石が登場。
意味:前述のTS墓石と同様、テイラーのこれまでの良い評判が死んだことを意味している。
ゾンビテイラーが止めようとしているもの
「アウト・オブ・ザ・ウッズ」MVに登場したドレスを着たゾンビテイラーが現れ、2014年のメットガラでのテイラーを墓穴に埋める。
意味:前作『1989』のプロモ期間2014~2016年に多くのトラブルを経験したテイラー。メットガラは2014年の出来事で、「アウト・オブ・ザ・ウッド」は2015年の大晦日に公開されたMV。このシーンでは『1989』後半の朽ち果てたテイラー(アウト・オブ・ザ・ウッド)が、まだ美しく輝いている『1989』初期のテイラー(メットガラ)を墓穴に埋めて、『1989』時代が始まるのを阻止しようとしている。
ニルス・ショーバーグの墓石
墓場のシーンではゾンビテイラーの背後に、「ニルス・ショーバーグ」という人物の墓石がチラリと登場。
意味:元彼カルヴィン・ハリスのヒット曲「ディス・イズ・ホワット・ユー・ケイム・フォー」のリリックの一部を自身が書いたことを、破局後に無断で公表してカルヴィンとバトルに発展したテイラー。この曲でテイラーが使用したペンネームが、墓石に刻まれた「ニルス・ショーバーグ」だった。
2016年のあの発言をかたちに
シーンは変わり、ジュエリーであふれたバスタブに入ったテイラーが登場。
意味:テイラーは2016年のグラミー・ミュージアムでのライブ中に、男性を束縛しすぎて逃げられるから「大理石のバスタブでパールに囲まれて泣いている」というイメージを世間に持たれていると語っており、このシーンはその時の発言がインスパイア元。一方、MVでは実際に10億円相当のジュエリーが使われたが、一部ではこれが2016年にパリのホテルでバスタブに入れられ10億円相当のジュエリーを強奪された宿敵キム・カーダシアンの事件に触れているのではというウワサもあるが、真意は分かっていない。
1ドル札に隠された勝利
ジュエリー風呂に浸かるテイラーの右腕近くに、場違いな1ドル札が。
意味:2013年に男性ラジオパーソナリティにお尻を触られたテイラーが、2017年の裁判で男性に請求した額が1ドル。お金ではなくセクハラ被害者を支援する目的で訴えを起こしたテイラーは裁判に勝利したあと、性暴力の被害者支援団体への高額寄付を行った。
元彼への「NO」?
バスタブの横の床には、無造作に投げられたジュエリーで「NO」という言葉を描かれているように見える。
意味:映像では判断がつきにくいが、「N」の文字に使われているネックレスが元彼カルヴィン・ハリスにプレゼントされたネックレス(写真左下)に似ていると指摘する声が多数。なかには後の強盗シーンでテイラーの背後に開いた状態のリングケース(写真右下)が置かれていることから、「カルヴィンにプロポーズされてNOと断ったのでは!?」と推測する説まで。
テーマは「裏切り者」
次にダークな宮殿に移動。柱やイスには「Et tu, Brute?」という文字が刻まれている。
意味:名作『ジュリアス・シーザー』が腹心ブルータスに裏切られ暗殺された時に発した名言「Et tu, Brute(ブルータス、お前もか)」の文字が刻まれた宮殿が舞台のこのシーンは、「裏切り」や「卑劣さ」などがテーマ。
ヘビだらけの宮殿
宮殿にはそこら中にヘビがいて、上座に座るテイラーが身に着けているジュエリーもヘビモチーフ。
意味:カニエ・ウェストの曲「フェイマス」で「ビッチ」と呼ばれたことに対して許可を出した出してないのバトルをカニエと繰り広げるなか、カニエの妻キム・カーダシアンがテイラーとカニエの間で交わされた電話の映像音源を流出。その中でテイラーが許可を出しているように聞こえたことから、テイラーのSNSは「ヘビ(※裏切者・嘘つきという意味)」の絵文字でいっぱいに(写真右)。このシーンはその批判を逆手に取ったもの。
「ティーを飲む」あの人へ
脚を組んで座ったテイラーが、ヘビに注がれたティーを飲む。
意味:キム・カーダシアンの妹でモデルのケンダル・ジェンナーへの揶揄が含まれていると思われるこのシーン。ケンダルはキムがテイラーとカニエの会話音源を流出させた直後に、水を飲んでいる写真に「ティータイム」というコメントをつけてSNSに投稿。英語では「ティーを飲む」というフレーズにはそのままの意味とは別に「他人のゴシップを楽しむ」という意味があり、この投稿はケンダルからテイラーへの皮肉だと言われてきた。
ヘビが1匹足りないのは…
ヘビ宮殿のシーン最後のカットでは、テイラーのまわりに燭台も含めて12匹のヘビが。
意味:テイラーのラッキーナンバーと言えば「13」。テイラーはあらゆるシーンで「13」を使っているため、このシーンでヘビが1匹足りないことは、テイラーが13匹目のヘビであることを意味している。
グラミー賞がキーアイテム
シーンは変わり、ケイティ・ペリーそっくりのテイラーがゴールドのスポーツカーをクラッシュさせる。手にはグラミー賞のトロフィーが。
このシーンには2つの有力説がある。
意味・説①:グラミー賞10冠のテイラーから、未だに受賞がないケイティ・ペリーへの皮肉がこめられている。ケイティはテイラーとは絶縁状態にある相手。
意味・説②:テイラーの曲「レッド」に「新車のマセラティで行き止まりの道に突っ込むようなもの/風よりも早く、罪のように情熱的で、終わりは突然」という歌詞があり、同曲が収録されたアルバム『レッド』はグラミー賞最優秀アルバム賞を逃している。つまりこれは『レッド』が受賞するべきだったというテイラーからのメッセージ。ただ、MVで使用された車はマセラティではなくブガッティ。
このシーン、見覚えがある?
車のクラッシュシーンは、印象的なスローモーションの手法で撮られている。
意味:ケイティ・ペリー風のテイラーが車をクラッシュさせるシーンは、ケイティの曲「アンコンディショナリー」のMVで車がケイティにクラッシュするシーン(写真下)と映像の撮り方が激似。映像で見比べて見るとそのそっくりぶりがよく分かる。
私は鳥かごの中
次にオレンジ色のジャンプスーツを着たテイラーが、巨大な黄金の鳥かごの中でブランコに乗る。
意味:テイラーがカナダ放送協会とのインタビューで発した、「もしもマネジメントチームに自分のイメージ戦略を決められたら、金箔の鳥かごの中で生きている気分になっちゃう」という言葉が元になったシーン。アメリカの囚人服の色であるオレンジ色の服を着ていること、鳥かごの周りを警備員が囲んでいることも、テイラーが捕らわれの身であることを示している。
白人の特権?
そして鳥かごの中では、シャンパンを飲み、ロブスターを食べて過ごす。
意味:刑務所のような場所にいるにもかかわらず気にする様子なく高級趣向品を楽しんでいる姿は、アメリカで近年よく話題になるキーワード「白人特権」を現しているという説が。
巨大企業をやっつけろ
鳥かごの後は、仲間を引き連れたテイラーが「Stream Co.」というストリーミング会社で強盗。
意味:2015年に音楽ストリーミング・サービス大手アップル・ミュージックへの新曲の掲載拒否を発表したテイラー。これは同社の「ユーザーの3ヵ月の無料登録期間中はアーティストへの支払いもなし」というルールに反発したもので、一部で「お金が入らないから言ってるだけ」と批判されたが、実際には経済的な打撃を受けやすい若手アーティストを守るための行動だった。それを示すように、MVでお金を盗んでいるのは背後の仲間(=若手アーティスト)のみで、札束を燃やす以外にテイラーがお金に触れるシーンはない。
恋に盲目
強盗シーンでテイラーが着ている服には「BLIND FOR LOVE」の文字が。
意味:「BLIND FOR LOVE」は「恋に盲目」という意味。自分に対して持たれている「恋愛体質」というイメージを揶揄している。
テイラー軍団
シーンは変わり、軍曹ルックのテイラーの前には容姿の似たモデルの列。画面には「U SQUAD」の文字が。
意味:「テイラー軍団(Taylor Squad)」の愛称で呼ばれていた仲の良い友達グループに対して、「背が高く、細い、白人女性ばかりで、他のタイプの人たちを受け入れていない」という批判があがったことに関係している。
I♡TS
「I♡TS」と描かれたトップスを着た8人の男性を従えて激しくダンス。
意味:「I♡TS」は俳優のトム・ヒドルストンがテイラーとの交際中に着用して話題になったトップス。一部で「テイラーに着させられた」と根も葉もないウワサが流れたが、MVでは男性たちがまさにテイラーの指示でトップスを見せるよう上着を脱ぎ、そのウワサをパロディ。ちなみに8人の男性は、元彼であるジョー・ジョナス、テイラー・ロートナー、ジョン・メイヤー、ジェイク・ギレンホール、ハリー・スタイルズ、カルヴィン・ハリス、そしてトム・ヒドルストンのことだと言われている。
さようならテイラーたち
MVはクライマックスへ。過去のテイラーたちが押し合いながら上を目指すが、頂点に立つ現在のテイラーに振り落とされる。
意味:過去と決別して、新たなテイラーの時代が幕開けたことが告げられている。
あの電話事件をもう一度
テイラーが電話で話す姿が差し込まれる。指にはヘビのジュエリー。
意味:楽曲「フェイマス」を巡ってカニエと電話で会話した記憶へのフラッシュバック。ヘビの指輪は内容が流出した後に「ヘビ(※嘘つき・裏切者)」とバッシングされたことに関係している。
元彼の影がチラリ?
フローラル柄の服を着たテイラーが、プライベートジェットにチェインソーで刃を入れ、「レピュテーション(=評判)」という言葉をスプレー。
意味:テイラーが着ているフローラル柄の服は、元彼カルヴィン・ハリスが最新作でよく身に着けているアロハシャツ・ルックを彷彿とさせるという指摘が多数。
15人のテイラー
フィナーレでは「レピュテーション」と描かれたジェットの前に、本MVに登場したテイラーと過去のテイラーの総勢15人がずらりと並びそれぞれが喋り出す。
意味:ジェット機にスプレーされた「レピュテーション」は11月10日に発売されるアルバム名。そしてジェット期の前に並ぶテイラーの数は、予定されている収録曲の数と同じ15。テイラーたちは、アルバムの曲を現している可能性がある。
全員のセリフ
「みんな!」
「その驚いた顔やめて、マジでムカつく」
→テイラーがよく見せる驚いたような顔が「嘘くさい」と批判するアンチ派の意見に関係している。
「いつもそんなに驚く人いないでしょ」
「あのビッチどうしたの?」
「ビッチって呼ばないで!」
→カニエ・ウェストの曲「フェイマス」で「ビッチ」と呼ばれてケンカになった騒動に触れている。
「ちょっと、みんな!」
「良い子ちゃんぶるのやめて。フェイクのくせに」
「でたでた、また被害者づらしてる」
「なにしてるの?」
「レシート(証拠)を残しているの。後で編集するから」
→「レシートを残す」はケイティ・ペリーの曲「スウィッシュ・スウィッシュ」の歌詞を引用している。「編集する」という言葉はキム・カーダシアンが流出させた音源が意図的に編集されていることを示唆している?
「この問題から私を除外して欲しいと心から思っています…」
→音源流出の後にテイラーが発表した声明の一文。
「黙って!!」
背後に潜むテイラーの意味
15人のテイラーが話している間、背後のジェット機の上にはフローラル柄の服を着たテイラーがずっと立っている。
意味:このテイラーが「本当のテイラー」だとすると、背後に静かに立っているのには、「本当のテイラーはいつもそこにいたのに特定のイメージにスポットライトが当たるせいで注目してもらえない」というメッセージが込められている可能性がある。
ディテールまでこだわったMV作りによって、強烈なカムバックを果たしたテイラー。
そして狙いどおりなのか、MVは賛否両論を呼び、「YouTubeにおける24時間でのMVの最高視聴記録」「Sporityでの解禁日の最高再生記録」を更新。再び音楽史を書きかえた。
11月10日のアルバム『レピュテーション』の発売までに解禁される楽曲では、新たにどんなメッセージが発信されるのか?新生テイラーはどの方向へと進むのか?どんな内容にせよ、世界中の注目を集まっていることは間違いない。
テイラー・スウィフト
アルバム『レピュテーション』
11月10日発売
2,700円(税込)POCS-24013
https://umj.lnk.to/TS_lwymmdss