『ゲーム・オブ・スローンズ』づくし
今年5月に放送が終了した、世界的メガヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のキャストが再集結!同作品がエミー賞にノミネートされるのはこれがラストということもあり、最初から最後まで『ゲーム・オブ・スローンズ』の話題で持ちきりだった。
キット&ソフィーが久々の再会に熱いハグ
同作品で長年共演していた、ジョン・スノウ役の俳優キット・ハリントンとサンサ・スターク役の女優ソフィー・ターナーが、久々の再会に約5秒間にわたって熱いハグ。
— Scott Feinberg (@ScottFeinberg) September 23, 2019
キットが、「個人の問題」を解決するために入所していたリハビリ施設を出てから、公の場に姿を現すのは、今回の授賞式が初めてだったこともあり、ソフィーがキットの顔を両手で包み込み、“良い感じね”と彼の様子を見て安堵する胸キュンな場面も。
GoTセルフィーに「あの人」の姿が見当たらない!?
シオン・グレイジョイ役のアルフィー・アレンが、キャストみんなで撮影した豪華なセルフィ―をインスタグラムで公開するも、「キットの姿が見当たらない!」とファンがザワつく事態に…。この時、キットは一体どこへ!?
『ゲーム・オブ・スローンズ』が最多受賞
今回のエミー賞で史上最多となる32部門でノミネートされていた『ゲーム・オブ・スローンズ』は、ひと足先に行われたクリエイティブ・エミー賞での10冠と、プライムタイム・エミー賞での2冠を合わせて12冠を達成。これは、3年前のエミー賞で同作品が樹立したのと同じ、史上タイ記録。
ちなみに、このメンバーで挑む最後のエミー賞で、ティリオン・ラニスター役のピーター・ディンクレイジが、史上最多となる自身4度目の助演男優賞を受賞したほか、海外ドラマの“頂点”を意味する、エミー賞のなかでも最も重要な賞のひとつであるドラマ部門の作品賞を見事受賞し、有終の美を飾った。
キム&ケンダルが「笑い者」にされる
アメリカで10年以上放送が続く大ヒットリアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』に出演するキム・カーダシアンと、その異父妹でモデルのケンダル・ジェンナーが、プレゼンターとして登場するも、“厳しい洗礼”を受けることになってしまった。
この日、ケンダルとともにステージに立ったキムが、「私たち家族は、リアルな人々がありのままの姿を見せることが説得力のあるテレビ番組を作ると、身をもって知っています」と口にした直後、会場にいた無数の観客たちから笑い声が…。
Kim and Kendall just got laughed at mid-intro... pic.twitter.com/e0MjUo21Ix
— Scott Feinberg (@ScottFeinberg) September 23, 2019
これを受けて、リアリティ番組で私生活をさらしてお金を稼ぐ一家のことを快く思わない人たちから、「笑われてもしょうがない」といった辛らつな声がちらほらある一方で、単純に「失礼すぎる」といった至極当然の意見や、暴力を伴わない罪で投獄された受刑者の減刑や釈放を求める活動を積極的に行ない、社会に貢献するキムを笑い者にするのは「間違っている」と擁護する声も多く上がった。
ケンダルの“ゴム製”のインナーにザワつく…
ケンダルがフォーマルな花柄のロングドレスの着ていた、ラテックス製のタートルネックに一部の人たちが困惑。とくに、授賞式が行われたロサンゼルスのこの日の気温は30度を超えていたため、レッドカーペットで汗を一滴もかくことなく、涼しい表情でインタビューを受けていたケンダルに驚く声が多く聞かれた。
男女の「ギャラ格差」訴えるスピーチに拍手喝采
ドラマ『フォス/ヴァードン(Fosse/Verdon)』で、リミテッドシリーズ/テレビ映画部門の主演女優賞を受賞したミシェル・ウィリアムズが、受賞スピーチで男女のギャラ格差に言及。
「すべてにおいて私のことをサポートし、平等にギャラを支払ってくれたFXとFOX 21に感謝します。誰かに価値を見いだすことで、その人が持つ本来の価値を引き出せることを、彼らはちゃんと理解してくれていました。彼らはそのための費用や労力をどこにつぎ込むと思いますか?彼女の仕事です。
この先もし女性が…とくに有色人種の女性ですね。彼女たちは白人男性が1ドルを稼ぐのに対し、たったの52セントしかもらっていません。もし彼女たちが、あなたに仕事のために必要なものを要求してきた時は、どうか彼女の声を聞き、彼女のことを信じてあげください。もしかしたら、いつか彼女があなたの目の前に立ち、健全な労働環境のおかげで成功できたことを感謝してくれるかもしれません」
平等に働く機会を与え、正当な賃金を支払ってくれた放送局に感謝するとともに、ほかの“上司”たちに向けて、もし自分と同じように声を上げる女性が目の前に現れたら「同じようにしてほしい」と訴えかけ、会場全体から拍手が巻き起こった。
「謎のコスプレ集団」が襲来
ド派手な衣装に奇怪な被り物をかぶった、「謎のコスプレ集団」がエミー賞のレッドカーペットに襲来。まるでハロウィンの仮装のような出で立ちで、テレビ界の祭典にやって来た彼らは一体何者なのか?
じつは、彼らの正体は、着ぐるみやマスクで素性を隠したセレブたちが歌で競い会う、音楽バトル番組『The Masked Singer(ザ・マスクド・シンガー)』の新シーズンの出演者たち。
今回、授賞式のレッドカーペットを歩いたのがセレブ本人かどうかは不明だが、番組内では大御所シンガーが中に入っていることもあれば、これまで歌声を披露したことがない「隠れ歌うまセレブ」の場合もある。
あるドラマを「セックス依存症の話」と表現して炎上
授賞式の冒頭にプレゼンターとして登場した俳優のベン・スティラーが、ノミネート作品を紹介する際に、Amazonプライム・ビデオのオリジナルドラマ『Fleabag フリーバッグ』のことを、「セックス依存症を描いたコメディ」というひと言で片づけたことに不満の声が続出。
もちろんジョークだが、視聴者の誤解を招きかねない雑な表現に、同ドラマのファンから「セックスはあくまで物語の一部であって、この作品はもっと色々な問題を扱っている」といった、反論が相次いだ。
ドレスのトレンドカラーは「赤×ピンク」!?
今年のエミー賞授賞式では、「赤×ピンク」というかなり派手な色の組み合わせのドレスが大流行。それぞれデザインは違うものの、赤×ピンクの目を引くドレスを身にまとった女優陣がレッドカーペットで火花を散らした。
同性愛者の男性として初の主演男優賞を手にしたのは…
80年代のLGBTQ+コミュニティーを舞台にしたドラマ『POSE/ポーズ』に出演する俳優のビリー・ポーターが、ドラマ部門で主演男優賞を受賞。同性愛者であることを公言する俳優として初めて、エミー賞の主演男優賞を受賞するという快挙を成し遂げた。
「自分が生きているあいだにこんな日が訪れたことに、感動し圧倒されています。ジェームズ・ボールドウィン(※)は言いました。『自分の中に植えつけられたけがれた考えを吐き出して、自分はこの地球上に存在する権利があるという考えにいたるまで、長い時間がかかりました。(自分にはその権利がないと)あと少しで信じるところでした』。私には権利がある。君にも権利がある。私たちみんなに権利があるのです!(中略)私たちアーティストは、この地球上に暮らす人たちの考え方や感じ方の分子構造に影響を与えられるんです。だからやめないでください。真実を語るのをやめないでください。みなさんを愛しています!」
ちなみに、拍手喝采の受賞スピーチをひと通り終えたビリーは、「お願いだから、(スピーチを)もう終わらせてくださいと言われてます」とスタッフに急かされていることを明かし、笑いを取ってからステージを後にした。
第71回エミー賞 受賞結果
以下、主要部門の受賞結果はコチラ。
【作品賞】
ドラマ部門
『ゲーム・オブ・スローンズ』
コメディ部門
『Fleabag フリーバッグ』
リミテッド部門
『チェルノブイリ』
テレビ映画部門
『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』
バラエティ/トーク部門
『ラストウィーク・トゥナイト・ウィズ・ジョン・オリバー(Last WeekTonight with John Oliver)』
バラエティ/スケッチ部門
『サタデー・ナイト・ライブ(Saturday Night Live)』
【主演男優賞】
ドラマ部門
ビリー・ポーター『POSE』
コメディ部門
ビル・ヘイダー『バリー(Barry)』
リミテッド or 映画部門
ジャハール・ジェローム『ボクらを見る目』
【主演女優賞】
ドラマ部門
ジョディ・カマー『キリング・イヴ/Killing Eve』
コメディ部門
フィービー・ウォーラー・ブリッジ『Fleabag フリーバッグ』
リミテッド or 映画部門
ミシェル・ウィリアムズ『フォス/ヴァードン(Fosse/Verdon)』
【助演男優賞】
ドラマ部門
ピーター・ディンクレイジ『ゲーム・オブ・スローンズ』
コメディ部門
トニー・シャルーブ『マーベラス・ミセス・メイゼル』
リミテッド or 映画部門
ベン・ウィショー『英国スキャンダル〜セックスと陰謀のソープ事件』
【助演女優賞】
ドラマ部門
ジュリア・ガーナー『オザークへようこそ』
コメディ部門
アレックス・ボースタイン『マーベラス・ミセス・メイゼル』
リミテッド or 映画部門
パトリシア・アークエット『ジ・アクト(The Act)』
【監督賞】
ドラマ部門
ジェイソン・ベイトマン『オザークへようこそ』(エピソード:「Reparations」)
コメディ部門
ハリー・ブラッドビアー『Fleabag フリーバッグ』(エピソード:「Episode 1」)
リミテッド or 映画 or ドラマティックスペシャル部門
ヨハン・レンク『チェルノブイリ』
バラエティシリーズ部門
ドン・ロイ・キング『サタデー・ナイト・ライブ(Saturday Night Live)』(エピソード:「Host: Adam Sandler」)
【脚本賞】
ドラマ部門
ジェシー・アームストロング『サクセッション』
コメディ部門
フィービー・ウォーラー=ブリッジ『Fleabag フリーバッグ』
リミテッド or 映画 or ドラマティックスペシャル部門
クレイグ・メイジン『チェルノブイリ』
バラエティシリーズ部門
『ラストウィーク・トゥナイト・ウィズ・ジョン・オリバー (Last Week Tonight With John Oliver)』
2019年のエミー賞授賞式では、シリーズに幕を下ろした『ゲーム・オブ・スローンズ』がドラマ部門の作品賞に輝き、リミテッド部門は『チェルノブイリ』、コメディ部門は『Fleabag フリーバッグ』がそれぞれ各部門で作品賞を手にしたが、果たして来年はどの作品が“王座”につく?(フロントロウ編集部)