『プロミシング・ヤング・ウーマン(Promising Young Woman)』のキャリー・マリガンが、エメラルド・フェネル監督がノミネートされたことに熱い思いを語った。(フロントロウ編集部)

高い評価を受ける『プロミッシング・ヤング・ウーマン』

 現地時間2021年2月28日に、第78回ゴールデン・グローブ賞がバーチャル開催されている。映画『プロミシング・ヤング・ウーマン(Promising Young Woman)』の演技で主演女優賞にノミネートされているイギリス人俳優のキャリー・マリガンは、ロンドンのホテルから参加しており、米E!のレッドカーペットインタビューに登場した。

 『プロミシング・ヤング・ウーマン』は性犯罪者に復讐するダークコメディ・スリラーで、センシティブなテーマをコメディタッチで描いていることが注目を集めている一方で、試写会では観客同士が内容を巡って怒鳴りあいのケンカになり、そのうちの1人が会場を後にしたというエピソードもある異色作。

 作品への評価は非常に高く、映画は作品賞に、そしてエメラルド・フェネル監督も監督賞にノミネートされ、ゴールデン・グローブ賞史上最多となる3名の女性監督ノミネートという歴史的な出来事に名を刻んだ。

キャリー・マリガン、女性監督やその作品を称賛

 作品が扱うセンシティブなテーマから、役を受けることに不安があったというキャリーだけれど、フェネル監督と面会した時に、彼女であればこの映画を作ることができると確信したという。そして、自分だけでなく監督もノミネートされたことに、熱い思いを語った。

 「オーマイゴッドネス。彼女がノミネートされたと聞いた時には、泣くところだった。本当に、それは当然のことだと思う。あのカテゴリー(監督賞)の女性たちが認識されていることを見るのは素晴らしい。これは本当に正しいこと」

画像: キャリー・マリガンとエメラルド・フェネル監督。

キャリー・マリガンとエメラルド・フェネル監督。

 キャリーは以前、アカデミー賞において作品賞や監督賞に、事前に高い評価を受けていた女性監督の作品や名前がないことに苦言を呈しており、その投票システム自体に問題があるとして、「すべての作品を観たと証明できないかぎり、投票できるべきじゃないと思います。テストがあるべき。取り残された映画は、疑いの余地なく素晴らしいものですよ」と語っていた。

 そしてアカデミー賞だけでなくゴールデン・グローブ賞でも女性監督の名前がスルーされがちであったことは事実で、2018年の第75回ゴールデン・グローブ賞では、最優秀監督賞の受賞者を発表するプレゼンターだったナタリー・ポートマンが、監督賞に男性しかノミネートされていなかったことで、「Here are the all nominees(こちらが全員の候補者の方々です)」という定型文を、「Here are the all-male nominee(こちらが全員男性の候補者の方々です)」と発言し、賢く鋭いジャブを送ったことは話題となった。

 これまで無視されてきた女性への加害を扱った作品が作品賞に、そして女性監督が初めて複数人ノミネートされたことは、時代の変化を感じさせる。果たして結果はどうなるのだろうか。(フロントロウ編集部)

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