2020年11月 ジョニー・デップが敗訴、裁判官は12件の暴行容疑は事実と判断
11月2日 約3ヶ月におよぶ審議の末に、英裁判所はジョニーがNew Group Newspapersを相手取って起こした名誉毀損の裁判について、ジョニー側の訴えを棄却することを決定。裁判を担当したアンドルー・ニコル判事は、14 件の暴行容疑のうち 12 件は事実だと「立証」されているとし、The Sunがジョニーがアンバーに対して暴力的だったと報じたことは、「実質的に見て事実に反していない」と判断。判事は事実とみなした暴行のひとつとして、オーストラリアで起きたジョニーの指の切断事件を挙げて、「怪我をした指の血で落書きをし、それでも足りないと、ひどく怪我をした指にペンキをつけ、メッセージなどを書き続けたことを彼自身が認めたのは、彼の怒りの深さの表れです」と、ジョニーの怒りの問題に言及。「原告(ジョニー)は、訴因に関する必要な要素は証明しましたが、名誉棄損の訴えを証明することに失敗しました。被告(NGN)は、彼らが出版した言葉は実質的に事実であることを証明しました」、「被告(NGN)が提出した14件の事件および、原告(ジョニー)側が提出した証拠を詳しく検証した結果、この結論に至りました」と発表した。
11月6日 ジョニーはこの裁判に敗訴したことを受けて、映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズで演じてきたゲラート・グリンデルバルド役を降板することを発表。「ワーナー・ブラザースから『ファンタスティック・ビースト』で演じたグリンデルバルド役を辞退して欲しいとの要請があり、私はそれを尊重し、リクエストに応じることにしたことをお知らせします」と発表した上で、「イギリスの裁判所が下した非常に理解し難い判決が、私が真実を伝えるための戦いを変えることはありません。私が上訴を計画しているということを、ここに認めます」と記して、上訴を計画していることを認めた。
11月25日 ジョニー側は敗訴を受けて上訴を求めるも、「提案された控訴の理由には、勝訴できる合意的な理由はないと考えます」と英裁判所のアンドルー・ニコル判事はコメントして、この訴えを棄却。加えて、ジョニーに対して裁判費用としてNew Group Newspapersに63万ポンド(約1億円)を支払うように命じた。
2021年1月 ジョニーから名誉毀損で訴訟を起こされていたアンバーが、自身のキャリアと評判を傷つけるためにジョニーが仕組んだ中傷キャンペーンによって甚大な影響を受けたとして、1億ドル(約130億円)を求めてジョニーを逆提訴した。
2021年3月 離婚申請をめぐってアンバーが和解金として受け取った700万ドルが、寄付すると約束したにもかかわらず依然として寄付されていなかったことを理由に、ジョニー側が裁判のやり直しを求めるも、こちらの訴えも棄却に。英控訴裁判所の判事が「我々は、デップ氏が提案した上告を支持するためにさらなる証拠を認める申請を拒否します。上告は成功する見込みがなく、他に審理されるべきやむを得ない理由がないと結論づけました」と声明を発表して、ジョニー側の申し出を退けた。