2016年に離婚を申請したことから始まり、複数の裁判にまで発展することとなったジョニー・デップとアンバー・ハードの法廷闘争が示談という形で収束した。2人の離婚から、ジョニーが自身を「Wife Beater(妻を虐待する者)」と表現した英The Sunを提訴した裁判、ジョニーがアンバーを名誉毀損で訴えた裁判など、一連の裁判がすべて収束するまでを時系列でまとめた。(フロントロウ編集部)

2022年6月1日 アンバー・ハードとの名誉毀損裁判で決着→その後示談

6月1日 名誉毀損裁判に決着。陪審員は両者に名誉毀損の責任を認め、賠償額で大幅に多い額を認められたジョニー側が法的に勝利した。陪審員は、米Washington Postの論説でのアンバーの発言は虚偽であり、元夫であるジョニーに対する悪意を持って行なわれたものだとして、名誉毀損であると判断してジョニーに1500万ドル(約20億円)の賠償額を認めた。また陪審員は、アンバーが告発した虐待をジョニーの弁護士が「デマ」だとしたことは名誉毀損にあたると判断し、アンバーに200万ドル(約2.6億円)の賠償額を認めた。

画像1: 2022年6月1日 アンバー・ハードとの名誉毀損裁判で決着→その後示談

 評決後の声明で、ジョニーは「当初から、この裁判を起こす目的は、結果がどうであれ、真実を明らかにすることでした」としたうえで、「真実を語ることは、私の子供たちや、私を支持してくれているすべての人たちに対して、私が負うべきものでした。最終的にそれを達成できたと思うと、安らかな気持ちになります」と語った。一方でアンバーは、「今日、私が感じている失望は言葉では言い表せないものです」言い、「元夫の権力、影響力、影響力に立ち向かうには、山のような証拠ではまだ十分ではありませんでした」とした。

7月1日 アンバー側が証拠不十分や陪審員のなりすましを理由に評決の破棄を裁判所に要求。アンバーの弁護団は、評決が証拠によって裏付けられていないと主張したほか、陪審員のひとりについて“なりすましの可能性”があるとして、裁判のやり直しを求めた。

7月13日 アンバーの無効審理請求を判事が却下。バージニア州フェアファクス郡裁判所のペニー・アズカラテ判事は、米Law & Crime Networkが公開した裁判資料のなかで、問題の陪審員は書類に嘘を書いたことはなく、他の陪審員と同様に「十分な審査」が行われ、アンバーとジョニー、双方の弁護団が「丸一日かけて陪審員団に質問し、陪審員団を容認すると裁判所に伝えた」と述べた。

7月21日 アンバーが正式に控訴を申請。「私たちは、憲法修正第1条に合致した、公正かつ公平な評決を妨げるような誤りを裁判所が犯したと信じています。したがって、私たちは判決を不服として控訴します。この申請がツイッターで炎上することは承知していますが、これは公正さと正義の両方を確保するために必要な措置です」とアンバー側はコメントを発表した。

7月22日 アンバーの控訴を受けて、ジョニー側もアンバーの主張の一部が認められたことは不服だとして控訴。ジョニーの弁護を担当するカミーユ・バスケス氏は後日、米CBSの番組『This Morning(原題)』に出演した際に「デップ氏は裁判所が全記録を入手できるよう、自らも控訴することにしました」と語って、その理由について明かした

画像2: 2022年6月1日 アンバー・ハードとの名誉毀損裁判で決着→その後示談

12月4日 アンバー側が改めて名誉毀損裁判の再審請求を行なったことが明らかに。アンバーの弁護士は現地時間11月23日付の法的文書で、「先の裁判では、ハード氏がデップ氏の虐待を医療専門家に報告した複数の事例を陪審員が考慮することを不適切に妨げられました」と述べて、再審を求めた。

12月19日 ジョニーとアンバーが裁判所の判断を待たずして示談したことを発表。アンバーは示談の条件について明かしていないが、米Peopleによると、ジョニーに和解金100万ドル(約1億3,000万円)を支払うことで話がまとまったそうで、和解金はアンバーが契約している保険会社からの保険金で賄われる予定だという。ジョニーは示談を発表した声明のなかで和解金を寄付することを約束した。

イギリスとアメリカでなぜ異なる判決が下された?
ジョニーが暴力的だったと呼ばれたことは、イギリスでは「事実」だとされ、アメリカでは「名誉棄損」とされた。ここまで大きな違いが出た最大の要因について、英BBCや米Insider、米Washington Postなどは、アメリカが一般国民が参加する陪審員制度(今回は男性5人、女性2人)で、イギリスが裁判官による判断だったところにあると報じている。ただ、ここまで両国で判決が異なるのは珍しいことだという。

(フロントロウ編集部)

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