第64回グラミー賞で主要4部門すべてにノミネートされているオリヴィア・ロドリゴ。彼女の俳優やシンガーとしてのキャリア、ファッション、若者たちのロールモデルとしての発言などに触れながら、彼女のこれまでを改めておさらい。(フロントロウ編集部)

グラミー賞で主要4部門の全制覇がかかっているオリヴィア・ロドリゴ

 日本時間4月4日に米・ネバダ州ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナ開催される第64回グラミー賞授賞式で、主要4部門のすべてにノミネートされているオリヴィア・ロドリゴ

画像: グラミー賞で主要4部門の全制覇がかかっているオリヴィア・ロドリゴ

 最優秀新人賞を筆頭に、「drivers license(ドライバーズ・ライセンス)」で年間最優秀レコード賞と年間最優秀楽曲賞、『サワー』に年間最優秀アルバム賞の主要4部門にノミネートされているオリヴィアは、他にも最優秀ポップ・パフォーマンス賞と最優秀ポップ・ボーカル・アルバム賞、最優秀ミュージック・ビデオ賞を含む、合計7部門にノミネートされている。

 今年のグラミー賞で主要4部門すべてにノミネートされているのは、オリヴィアと、ビリー・アイリッシュの兄であるフィニアス・オコネルの2人のみ。

 もしも主要4部門を全制覇することになれば、ビリーが第62回グラミー賞で達成して以来、史上3人目の快挙となる。

オリヴィア・ロドリゴのプロフィール(生年月日・出身地・身長 etc.)

画像: オリヴィア・ロドリゴのプロフィール(生年月日・出身地・身長 etc.)

生年月日:2003年2月20日
出身地:アメリカ、カリフォルニア州テメキュラ
身長:165㎝
家族構成:アイルランド系とドイツ系の血を引くアメリカ人の母(教師)、フィリピン系アメリカ人の父(セラピスト)

フィリピン系であることは誇り

 フィリピンからアメリカに移住してきた祖父を持つオリヴィアは、フィリピンのカルチャーにも触れられるような家庭環境で育った。「父親は、フィリピン料理がでてくるような家庭で育っていて、おじいちゃんはいつもタガログ語を話していたの。そうした伝統は私たちの世代にも引き継がれていて、感謝祭の時には、(フィリピンの料理である)ルンピアとかを食べてる」と、オリヴィアは2018年に米CAAMとのインタビューで語っている。

 オリヴィアは、ショービズ界において自身がフィリピン系のレプリゼンテーションを高めていることへの誇りをたびたび口にしており、2022年にアメリカの朝の情報番組『グッドモーニング・アメリカ』に出演した際には、「フィリピン系のコミュニティの一部であることを誇りに思っています。彼らは本当に満ちていて、すごくウェルカムですし、私をサポートしてくれていますから」と、フィリピン系コミュニティとの繋がりについてコメントした。

画像: フィリピン系であることは誇り

オリヴィア・ロドリゴの出演作品

『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』ニニ役でブレイク

 2015年に公開された映画『An American Girl: Grace Stirs Up Success(原題)』で、なんとデビュー1作目から主役に抜擢されて、俳優としてデビューしたオリヴィア。さらに、2016年から2019年にかけてディズニー・チャンネルで放送されたオリジナルドラマ『やりすぎ配信! ビザードバーク』で、メインキャストの1人であるペイジを演じて、ティーンの間では知られた存在となった。

画像1: 『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』ニニ役でブレイク

 ドラマ『New Girl / ダサかわ女子と三銃士』にゲスト出演したこともあるオリヴィアだが、特に彼女がその名前を世界に広く知らしめるきっかけになったのが、Disney+ (ディズニープラス)のドラマ『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル(以下、『HSMTMTS』)』への出演。

 2006~2008年にかけてテレビ放送・劇場公開された映画『ハイスクール・ミュージカル』シリーズを観て育った高校生たちを描いたドラマ『HSMTMTS』で、オリヴィアはリッキー役のジョシュア・バセットと並び、W主人公のニニ役に抜擢された。

画像2: 『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』ニニ役でブレイク

 『HSMTMTS』では、米Billboardの全米シングルチャートにもランクインした劇中歌「All I Want」を自ら書き下ろして、既にシンガーソングライターとしての片鱗を見せていたオリヴィア。

 『HSMTMTS』でオリヴィアと共に楽曲を共作したシンガーソングライター/プロデューサーのジョシュ・カンビーは、2021年にフロントロウ編集部とのインタビューで、「ただただ、僕は圧倒されました。彼女が入ってきて歌を歌った時、『君はとんでもない才能の持ち主だね』って伝えたくらいです」と、オリヴィアがシンガーとしてデビューする前からいかにすごかったかについて証言した。

 2022年内に新シーズンとなるシーズン3の配信が控えている『HSMTMTS』。シンガーとしての活動で多忙を極めているオリヴィアは、これまでのような主演ではなく、準レギュラー的な形でこれまでのシーズンよりも出演の頻度を減らして登場すると報じられている。

最新作は『オリヴィア・ロドリゴ:ドライビング・ホーム・2・ユー』

 そんなオリヴィアは、ドキュメンタリー『オリヴィア・ロドリゴ:ドライビング・ホーム・2・ユー』が3月25日よりディズニープラスのスターにて配信中。

画像: 最新作は『オリヴィア・ロドリゴ:ドライビング・ホーム・2・ユー』

 このドキュメンタリーは、シンガーとしてのデビューアルバム『サワー』の収録曲の新しいアレンジ映像や密着インタビュー、 貴重なメイキング映像などを通して、『サワー』に収録された楽曲の物語を巡る、映画のような体験をすることができるものになっている。

2021年に最もブレイクした新人アーティストに

デビューシングル「drivers license」が歴史的な大ヒット

 オリヴィアは2021年1月にファーストシングル「drivers license」をリリースして、シンガーとしてデビュー。全米/全英それぞれのシングル・チャートで初登場1位を記録したほか、Apple Musicにおけるデイリーチャートで88の国と地域で1位、Spotifyのデイリーチャートでも33の国と地域で1位を獲得するなど、同曲はリリースするや否や瞬く間に世界中で大ヒットに。

 その勢いは日に日に増していくばかりで、全米シングル・チャートでは“デビュー初週から8週連続で1位”をキープ。これは、同チャートにおいて史上初の快挙となった。

ジョシュア・バセット&サブリナ・カーペンターとの“三角関係”騒動

 失恋について綴った等身大の歌詞や、普遍的な魅力を持つメロディーが多くのファンの心を掴んだ「drivers license」だが、同曲をめぐっては、楽曲に登場する“年上の女性”という歌詞がきっかけとなり、『HSMTMTS』で共演したジョシュア・バセットと、ディズニー・チャンネルの先輩にあたるサブリナ・カーペンターとの三角関係の噂が浮上することとなった。

画像: オリヴィア・ロドリゴ、ジョシュア・バセット、サブリナ・カーペンター。

オリヴィア・ロドリゴ、ジョシュア・バセット、サブリナ・カーペンター。

オリヴィアとジョシュアは、本人たちは認めていないものの『HSMTMTS』の撮影中に交際し、破局したのではないかと噂に。ジョシュアにはその後、サブリナと急接近したのではないかとする噂も浮上しており、オリヴィアの「drivers license」に登場する“年上のブロンド女性”は、サブリナのことなのではと囁かれることとなり、三角関係が取り沙汰されることとなった。

 3人はいずれも三角関係については認めていないが、この騒動がきっかけとなり、オリヴィアとジョシュアは『HSMTMTS』での共演は継続しながらも、プライベートでは完全に疎遠になってしまった。

『サワー』のシングル「deja vu」と「good 4 u」も大ヒットに

 「drivers license」に続いてリリースした、こちらも失恋について綴ったセカンドシングル「deja vu(デジャヴ)」もまた、全米シングルチャートで初登場8位を獲得するヒットに。

 さらに、続くサードシングル「good 4 u (グッド・フォー・ユー)」では、早くも自身2曲目となる全米シングルチャートの1位を獲得。ここでも失恋について歌ったオリヴィアは、ティーンたちが共感する“失恋ソングの名手”としての評価を確実なものにしたのみならず、パラモアから影響を受けたメロディーを使ったこの楽曲で、音楽シーンにおけるポップパンクのリバイバルを決定づけた。

 5月21日に満を持してデビューアルバム『サワー』をリリースすると、2021年最大の週間売上で全米アルバム・チャートの初登場1位を獲得。デビュー・アルバムとデビュー・シングルの両方で1位を獲得した最年少アーティストになり、全米・全英を含む全15か国のチャートで1位を獲得するなど、2021年に最もブレイクした新人アーティストとなった。

テイラー・スウィフトが大好き

 オリヴィアは幼い頃からテイラー・スウィフトのファンを公言する、生粋のスウィフティー(テイラーのファンの愛称)の1人。

画像: 今年5月に開催されたBRITアワードの授賞式でついに対面を果たしたオリヴィア・ロドリゴとテイラー・スウィフト。 ©️Olivia Rodrigo/Instagram

今年5月に開催されたBRITアワードの授賞式でついに対面を果たしたオリヴィア・ロドリゴとテイラー・スウィフト。

©️Olivia Rodrigo/Instagram

 オリヴィアはテイラー本人からもお墨付きを得ていて、デビューシングル「drivers license」をリリースした際には、テイラーから“娘”と呼ばれたほど。

 そんなテイラーを“母”と慕うオリヴィアは、幼少期からテイラーのことが大好きで、初めて買ったレコードはなんと、オリジナルバージョンの『レッド』。「永遠のアイドルはテイラー・スウィフト。音楽を通じてのストーリーの伝え方や、イメージの描き方にはいつもインスパイアされる」と2020年に英Schön! Magazineとのインタビューで語った。

エド・シーランやアヴリル・ラヴィーンからも称賛の声

 オリヴィアは他にも先輩アーティストたちからその才能を絶賛されており、エド・シーランは以前、米ラジオ番組『Most Requested Live(原題)』でオリヴィアについて、「この比較をオリヴィアが好ましく思ってくれるかは分からないけど、僕は何年も前から、世界には新しいアヴリル・ラヴィーンが必要だってずっと言ってきたんだ。ロックをして、曲も書けるっていう女の子がね」と、アヴリル・ラヴィーンの再来だと絶賛。

画像: エド・シーランやアヴリル・ラヴィーンからも称賛の声

 そのアヴリル・ラヴィーンも、2021年に米Varietyのイベント「Hitmakers」でオリヴィアについて、「私たちは今年、デビューアルバムをもってチャートにロックンロールを大々的に帰還させた新人アーティストを紹介されました」と、彼女がロックを再びメインストリームに押し上げたことに賛辞を寄せた上で、「『drivers license』から『good 4 u』、そして『deja vu』まで、オリヴィアのアルバム『サワー』に収録されたシングルには2021年の精神が集約されています。しかも、そのいずれも彼女が自分自身で書いたものなのです」と、ソングライターとしての手腕を絶賛した。

新世代を代表するファッションアイコン

 シンガーとして大ブレイクを果たしたオリヴィアは、有名ブランドからも引っ張りだこな存在に。2021年にファッションの祭典であるメットガラで、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)によるブラックのシースルーのボディスーツでパンクな装いに。

画像1: 新世代を代表するファッションアイコン

 さらに、 2021年9月に開催された米・映画芸術科学アカデミーによる「アカデミー映画博物館」のオープンを記念したガラでもイヴ・サンローランを着用したり、同年11月にアートの祭典、アートバーゼル(Art Basel)にて開催されたイヴ・サンローランのショーにも参加したりと、すっかりイヴ・サンローランのミューズになっている。

画像2: 新世代を代表するファッションアイコン

Y2Kムーブメントを象徴するファッション

 現在、2000年代のファッションやカルチャーが大流行中で、「Year 2 Thousand」の略語である「Y2K」が一大ムーブメントになっているが、オリヴィアもY2Kファッションを好んで着ている1人。Y2Kムーブメントを代表するファッションアイコンとなっている。

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ロールモデルとしてのオリヴィア・ロドリゴ

2022年のウーマン・オブ・ザ・イヤー

 米Billboardによる、音楽業界や地域社会への貢献が認められた女性の新進アーティストやトップ・アーティスト、クリエイター、プロデューサーなどを表彰する2022年のウィメン・イン・ミュージック(Billboard Women in Music)で、名誉あるウーマン・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、すっかりカルチャーの顔となったオリヴィアは、社会問題にも積極的に声をあげてきた。

画像: 2022年のウーマン・オブ・ザ・イヤー

 そのウィメン・イン・ミュージックの授賞式では、若い女性たちに向けてメッセージ。「毎日のように作詞作曲して、日記帳に書きためている若い女の子のみんな! みんなの無防備さや、創造性、勇気にいつも心を動かされています。今日ここにいる私たち全員は、この世界とこの音楽業界を若い皆さんのためにより良い場所にするために動いていくことを約束します」と誓って、女性たちにエールを送った。

 また、オリヴィアは“女の子はこうあるべき”という古いジェンダー観に異論を唱えてきたことでも知られ、2021年には米GQとのインタビューで、「女性たちはいつも、親切さや、思いやり、献身性が褒められますよね。そういう、優しさこそが一番みたいな考えは、私がこの世界で若い女性として大人になっていく上で克服したいと思っている部分です」と語った。

ジョー・バイデン大統領から招待されホワイトハウスへ

 若者たちへの絶大な影響力を評価されて、2021年7月、アメリカで若者世代における新型コロナウイルスのワクチン接種率の低さが社会問題となっていたなか、ジョー・バイデン大統領から直々に招待を受けて、ホワイトハウスで若者たちにワクチン接種を促すスピーチを行なうことに。

画像: ©️OliviaRodrigo/Instagram
©️OliviaRodrigo/Instagram

 オリヴィアは、バイデン大統領や感染症対策トップのアンソニー・ファウチ博士とホワイトハウスで面会した後で、プレスルームで会見を開き、若者たちに向けたスピーチを行なった。

セレーナ・ゴメスからもらったメンタルヘルスのアドバイス

 多忙な毎日を送るなかでも、オリヴィアは自身のメンタルヘルスに重きを置くことを大切にしている。

画像: セレーナ・ゴメスからもらったメンタルヘルスのアドバイス

 オリヴィアは、ディズニー・チャンネルの先輩にあたるシンガー/俳優のセレーナ・ゴメスからもらったメンタルヘルスについてのアドバイスを大切にしているとして、2021年に米Varietyとのインタビューで、「セレーナは私にメンタルヘルスを優先することの大切さを教えてくれました。そのことについては、この業界においてとても大切なことだと私自身も思っています。私たちはものすごく若い時期から脚光を浴びることになったわけで、それって精神的にものすごく大変なことですし、あらゆる奇妙な問題を引き起こすことになります」と、日頃からメンタルヘルスをケアするようにしていると明かした。

私生活ではアダム・フェイズと破局したばかり

 そんなオリヴィアは、2021年の夏頃、映画やテレビ、音楽などマルチな分野で活躍しているプロデューサーであるアダム・フェイズとの熱愛が報道。米・カリフォルニア州サンタクラリタにあるテーマパーク、シックス・フラッグス・マジック・マウンテンで行なわれた映画『スペース・プレイヤーズ』の試写会を共に訪れ、仲良く手を繋いだり、ハグしたりしているところが目撃された。

 しかしながら、2022年に入ってから、2人の交際に暗雲が。1月にオリヴィアがインスタグラムでアダムのアカウントをアンフォローしたことが明らかになると、2月には情報筋が「2人は少し前に終わりました」と米Peopleにコメント。交際開始から1年足らずで、破局を迎えたことが明らかになった。

 『やりすぎ配信! ビザードバーク』や『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』への出演で、既にティーンの間では知られた存在だったオリヴィアだが、デビューシングル「drivers license」の特大ヒットをきっかけに、一躍世界で最も有名なアーティストの1人に。今年のグラミー賞の主役になるとの呼び声高いが、結果は果たして?(フロントロウ編集部)

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